今日、吉田類の『酒場詩人・吉田類の旅と酒場俳句』(14)を読み終えました。
この本の内容については、帯の文章を引用するのが適切かと思います。
酒場詩人・吉田類が
旅の中で詠んだ酒場俳句と
それにまつわるエピソード、
オススメの酒場までを綴った
初の酒場俳句エッセイ。
この本の内容については、帯の文章を引用するのが適切かと思います。
酒場詩人・吉田類が
旅の中で詠んだ酒場俳句と
それにまつわるエピソード、
オススメの酒場までを綴った
初の酒場俳句エッセイ。
◆この本は、「はじめに」「吉田類の酒場グラビア」「吉田類の酒場俳句」「吉田類の酒場エッセイ」「吉田類も通う東京酒場」「あとがき」という構成になっています。以下、「吉田類の酒場俳句」「吉田類の酒場エッセイ」に登場する俳句を一覧にします。
【吉田類の酒場俳句】
ひとひらの記憶剥離す白木蓮(はくもくれん)
菜の花やガールボーイを抱きしめり
徳利(とくり)よりしろ蝶ほろと舞ひ立ちぬ
捨ておいて花のもとへと居を移し
菜の花や昼酒臥(が)して髑髏(しゃれこうべ)
ワンタン喰ふ春や乳房の舌触り
辛くちの酔ひは景虎おぼろ月
酔うて舞ふ桂をとこの旅うらら
人魚曳くひとすじ青き夜光虫
定説を蜥蜴(とかげ)くるつと翻(ひるがえ)す
揚羽蝶(あげはちょう)ガラスのビルをぬけ去りし
ハイボール弾ける初夏のブルージーン
虹消えて泥の水牛動きだす
天地(あめつち)はまだ混沌の炎暑かな
笑ひ酒トマトころがるミニのひざ
夫(つま)はいま磯に潜りて青の魚(うお)
火酒(かしゅ)過ぎて亡者(もうじゃ)の船にゆられたる
炎天や天使の羽の毟(むし)らるる
酔ふきみの仕草や風に月見草
立ち飲めば無頼の夏のよりどころ
影絵めく二人の老女晩夏光(ばんかこう)
美女酔うて色なき風に吐息のせ
ひやおろし酌(く)まば妖精(ニンフ)の匂ひ立つ
かろやかな祈りでありし鰯雲
ローカル線どんぐり行つたきりという
土手刈られ蟋蟀(こおろぎ)ももを露(あらわ)にす
酔ふならば月の浮き舟黒運河
酔ひ忘る路傍の闇の虫の音に
またひとつ星の流るる馬の背に
回廊の巫女の捧ぐや荒ばしり
まどろみし酒樽ひとり言(ご)ちて秋
朝夕に尼僧の通る葱畑
酔ひそぞろ天には冬の月無言
寒風やばん馬むねよりもり上がる
獣うつ野に一瞬の冬もみじ
神々の愛欲散りて波の華
ポセイドンの二の腕ほどの鮪(まぐろ)喰ふ
酒精火(しゅせいび)と成りて遊行の枯野かな
【吉田類の酒場エッセイ】
蒼天を複眼に撮る秋茜
ハイボール弾ける夏のブルージーン
雲低く土筆震へし酒肆(しゅし)の庭
枡酒に振子打つ音春燈火(しゅんとうか)
屋台灯やあるじ不敵なしわの汗
天地(あめつち)はまだ混沌の炎暑かな
夕虹の消えて酔いどれ立ち上がる
春の月はや爛熟の気(け)を孕(はら)み
凍てし夜のドライ・マティーニ切れ消ゆ
泥鰌子(どじょっこ)さぞ春泥の恋しけれ
夕焼けの熾火(おきび)となりぬ赤鳥居
【吉田類の酒場俳句】
ひとひらの記憶剥離す白木蓮(はくもくれん)
菜の花やガールボーイを抱きしめり
徳利(とくり)よりしろ蝶ほろと舞ひ立ちぬ
捨ておいて花のもとへと居を移し
菜の花や昼酒臥(が)して髑髏(しゃれこうべ)
ワンタン喰ふ春や乳房の舌触り
辛くちの酔ひは景虎おぼろ月
酔うて舞ふ桂をとこの旅うらら
人魚曳くひとすじ青き夜光虫
定説を蜥蜴(とかげ)くるつと翻(ひるがえ)す
揚羽蝶(あげはちょう)ガラスのビルをぬけ去りし
ハイボール弾ける初夏のブルージーン
虹消えて泥の水牛動きだす
天地(あめつち)はまだ混沌の炎暑かな
笑ひ酒トマトころがるミニのひざ
夫(つま)はいま磯に潜りて青の魚(うお)
火酒(かしゅ)過ぎて亡者(もうじゃ)の船にゆられたる
炎天や天使の羽の毟(むし)らるる
酔ふきみの仕草や風に月見草
立ち飲めば無頼の夏のよりどころ
影絵めく二人の老女晩夏光(ばんかこう)
美女酔うて色なき風に吐息のせ
ひやおろし酌(く)まば妖精(ニンフ)の匂ひ立つ
かろやかな祈りでありし鰯雲
ローカル線どんぐり行つたきりという
土手刈られ蟋蟀(こおろぎ)ももを露(あらわ)にす
酔ふならば月の浮き舟黒運河
酔ひ忘る路傍の闇の虫の音に
またひとつ星の流るる馬の背に
回廊の巫女の捧ぐや荒ばしり
まどろみし酒樽ひとり言(ご)ちて秋
朝夕に尼僧の通る葱畑
酔ひそぞろ天には冬の月無言
寒風やばん馬むねよりもり上がる
獣うつ野に一瞬の冬もみじ
神々の愛欲散りて波の華
ポセイドンの二の腕ほどの鮪(まぐろ)喰ふ
酒精火(しゅせいび)と成りて遊行の枯野かな
【吉田類の酒場エッセイ】
蒼天を複眼に撮る秋茜
ハイボール弾ける夏のブルージーン
雲低く土筆震へし酒肆(しゅし)の庭
枡酒に振子打つ音春燈火(しゅんとうか)
屋台灯やあるじ不敵なしわの汗
天地(あめつち)はまだ混沌の炎暑かな
夕虹の消えて酔いどれ立ち上がる
春の月はや爛熟の気(け)を孕(はら)み
凍てし夜のドライ・マティーニ切れ消ゆ
泥鰌子(どじょっこ)さぞ春泥の恋しけれ
夕焼けの熾火(おきび)となりぬ赤鳥居
◆酔ひそぞろ天には冬の月無言
お気に入りの一句です。この句にまつわるエピソードに「ま、誰でも別離の悲しい経験は後を引く。だから、酒と俳句があるじゃあないか…。」という一節があります。僕だったら、酒と俳句の部分に何と入れよう?
お気に入りの一句です。この句にまつわるエピソードに「ま、誰でも別離の悲しい経験は後を引く。だから、酒と俳句があるじゃあないか…。」という一節があります。僕だったら、酒と俳句の部分に何と入れよう?
◆以下が「吉田類の酒場エッセイ」のタイトルです。どれを読んでもお酒が飲みたくなります。現在、病気治療中でお酒が飲めない僕にはつらい内容です。早く楽しいお酒が飲めるよう、頑張ろうと思います。
健康飲みの秘訣/大人の酒「ハイボール」の嗜み方/上司との旨い酒の飲み方/猯梗鬮瓩離好好/焼き鳥は腕のいい主の店へ/ビバッ!麦酒[ビア]/下町で人気の酒ホッピーとは/女性の味覚と日本酒の関係/大人の酒場オーセンティック・バー/僕たちは同じ舟に乗っている/夜風が心地よい屋台酒
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