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穂村弘『もうおうちへかえりましょう』を読みました。

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昨夜、穂村弘のエッセイ集『もうおうちへかえりましょう』(04)を読み終えました。
この本について、文庫本ブックカバー裏表紙の解説を引用します。
 正義の味方はもういない。金利はまったくゼロに近い。高度成長期に育ち、バブル期に青春時代を過ごした40代独身男は、デフレとスタバとケータイに囲まれて、ぼろぼろの21世紀を生きている。永遠の女性は、きらきらした「今」は、いつ目の前に現れるのか? 故郷も、家族も、夢も、希望も、志も、野望も、立身出世も、革命も、維新も、なにもなくなってしまった「今」という時代。白馬に乗ったお姫様がいつか現れて、僕を幸せにしてくれるはず、なのに。衝撃的なダメっぷりで話題を呼んだエッセイ『世界音痴』に続く、人気歌人・穂村弘のエッセイ集第二弾。

◆収録エッセイ

曇天の午後四時からの脱出 /存在と時間(時をかける靴下、さかのぼり嫉妬、ひとりドミノ倒し、ボールペンで生まれ変わる) /煉獄、或いはツナサンド・イーター /反美人製造機 /北斗七星の男 /恐怖的瞬間 /マイナス星人 /ボウリング砂漠 /壊れた笑顔 /赤信号対策 /「未来」の奴隷 /龍馬のシャツ /かっこいい怒り、かっこ悪い怒り /キズナハカリ /朝 /林檎 /愛の暮らし /わかりあえるか /片想い

別世界より /夢の中の電話 /愛はいつも /「妖怪になりたい」 /春樹の呪縛 /八〇年代最大の衝撃 /言葉の戦後性 /言葉の金利 /したあとの朝日はだるい /「玲央」と「幸子」と「う」

文学と人生 /車内読書 /アシホたち /『一角獣・多角獣』狩り /就眠儀式 /タイトル /文体のこと /対談 /未収録という誘惑 /夜の部 /目に入る /高い本を買うとき /読み返す本 /本を覗き込む /いいところ /ラッキー嬢ちゃんのおそろしい仕事 /本当の本棚 /夜の合唱

◆「マイナス星人」に「私はボウリングでストライクを出すのが恐ろしい。ガッツポーズをしたり、Vサインを出したり、仲間と手と手を打ち合って喜んだりすることができないからだ。」という一節があります。また、「ボウリング砂漠」にも同様のことが書かれています。
 だったらボーリングなんてやらなければって思いますが、そうもいかないのでしょう。人って、いろんなことで悩むんだなと認識しました。

◆本書は『世界音痴』(02)に続く2冊目のエッセイ集だそうですが、前作ほどシンパシーを感じませんでした。巻末解説の冒頭、山崎ナオコーラは「名著である。センスほとばしる書き手による、珠玉のエッセイが並ぶ。」なんて書いています。確かに一つ一つのエッセイはよく書かれていると思いますが、著者の性格や考え方が前面に出すぎていて、読者(僕)は引いてしまいます。

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