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村上春樹訳『プレイバック』を読みました。

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今日、レイモンド・チャンドラーの『プレイバック』(58、村上春樹訳)を読み終えました。
この作品は、私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とする7冊の長編小説の7番目にあたります。また、この作品はマーロウのあの名言ばかりが取り沙汰され、作品としての評価は一般的に低いとされています。
この作品には突っ込みどころが多いと思いますが、久々にマーロウと再会でき、他の6作品も再読してみようと思いました。
ところで、村上春樹によるフィリップ・マーロウ・シリーズの翻訳はこれが6冊目で、残すは『湖の中の女』(The Lady in the Lake、清水俊二訳『湖中の女』)だけです。出来るだけ早く読めることを期待しています。

【感想】
◆マーロウとベティー・メイフィールドのあの有名な会話は以下のように訳されています。
マーロウ「これほど厳しい心を持った人が、どうしてこれほど優しくなれるのかしら?」
ベティー「厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。優しくなれないようなら、生きるに値しない」(P279-280)
この会話だけを取り上げれば、マーロウの言葉はかっこいい決め台詞だと思いますが、この会話は前後の文脈からすると少し浮いているように感じます。
◆ヘンリー・クラレンドンのエピソードは不要だし、全体的に冗長な印象は否めません。
◆マーロウは二人の女性と性的な関係を結びますが、マーロウってこんなに簡単に女性と寝るんだっけ? と思いました。
この作品のラストに登場するリンダ・ローリング(『ロング・グッドバイ』の登場人物)への思いを断ち切るためだったのでしょうか? だとしたら、ハードボイルドなマーロウも普通の男っぽくていいなと思います。

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