今日、加藤郁乎編『芥川竜之介俳句集』(2010)を読み終えました。
この俳句集は「俳句」及び「連句・川柳」という構成になっています。
この俳句集は「俳句」及び「連句・川柳」という構成になっています。
以下、一読して気になった俳句を引用します。
湯上りの庭下駄軽(かろ)し夏の月
藁屋根に百合の花咲く小家かな
葡萄嚙んで秋風の歌を作らばや
雲遠し穂麦にまぢる芥子の花
御仏に奉らむ紫藤花六尺
凧三角、四角、六角、空、硝子
山になづむ春や日かげの忍冬(すひかづら)
雲か山か日にかすみけり琵琶の滝
花火より遠き人ありと思ひけり
鴨東(あふとう)の妓がTAXI駆る花の山
山椒魚動かで水の春寒き
凩(こがらし)や目刺(めざし)に残る海の色
枕頭(ちんとう)やアンナ・カレニナ芥子の花
麦秋や麦にかくるる草莓(くさいちご)
罪深き女よな菖蒲湯や出でし
脚立して刈りこむ黄楊(つげ)や春の風
海なるや長谷は菜の花花大根(はなだいこ)
短夜や泰山木の花落つる
頓服の新薬白し今朝の秋
松二本芒一むら曼珠沙華
君琴弾け我は落花に肘枕
花薊(はなあざみ)おのれも我鬼に似たるよな
埋火(うづみび)の仄(ほのか)に赤しわが心
大風(おほかぜ)の障子閉(とざ)しぬ桜餅
よべの風藺田(ゐた)にしるしや朝雲
主人拙(せつ)を守る十年つくね藷(いも)
藤咲くや日もうらうらと奈良の町
蠟梅(らふばい)や枝疎(まばら)なる時雨空
抜き残す赤蕪いくつ余寒哉
古草にうす日たゆたふ土筆かな
鯉が来たそれ井月(せいげつ)を呼びにやれ
野茨にからまる萩の盛りかな
井月の瓢(ひさご)は何処へ暮(くれ)の秋
襟巻のまゝ召したまへ蜆(しじみ)汁
風吹くや人無き路の麻の丈
夕立の来べき空なり蓮の花
酒赤し、甘藷畑、草紅葉
井月ぢや酒もて参れ鮎の鮨
静かさに堪へず散りけり夏椿
萱草(くわんざう)も咲いたばつてん別れかな
旅立つや真桑も甘か月もよか
つるぎ葉に花のおさるるあやめかな
星月夜(ほしづくよ)山なみ低うなりにけり
雨に暮るる軒端の糸瓜(へちま)ありやなし
鉄線の花咲き入るや窓の穴
幾秋を古盃や酒のいろ
ぬかるみにともしび映る夜寒かな
行秋(ゆくあき)の呉須(ごす)の湯のみや酒のいろ
冴え返る夜半(よは)の海べを思ひけり
臘梅(らふばい)や雪打ち透かす枝の丈
松かげに鶏(とり)はらばへる暑さかな
栴檀の実の明るさよ冬のそら
かひもなき眠り薬や夜半の冬
切支丹坂を下り来る寒さ哉
迎火(むかへび)の宙歩みゆく竜之介
湯上りの庭下駄軽(かろ)し夏の月
藁屋根に百合の花咲く小家かな
葡萄嚙んで秋風の歌を作らばや
雲遠し穂麦にまぢる芥子の花
御仏に奉らむ紫藤花六尺
凧三角、四角、六角、空、硝子
山になづむ春や日かげの忍冬(すひかづら)
雲か山か日にかすみけり琵琶の滝
花火より遠き人ありと思ひけり
鴨東(あふとう)の妓がTAXI駆る花の山
山椒魚動かで水の春寒き
凩(こがらし)や目刺(めざし)に残る海の色
枕頭(ちんとう)やアンナ・カレニナ芥子の花
麦秋や麦にかくるる草莓(くさいちご)
罪深き女よな菖蒲湯や出でし
脚立して刈りこむ黄楊(つげ)や春の風
海なるや長谷は菜の花花大根(はなだいこ)
短夜や泰山木の花落つる
頓服の新薬白し今朝の秋
松二本芒一むら曼珠沙華
君琴弾け我は落花に肘枕
花薊(はなあざみ)おのれも我鬼に似たるよな
埋火(うづみび)の仄(ほのか)に赤しわが心
大風(おほかぜ)の障子閉(とざ)しぬ桜餅
よべの風藺田(ゐた)にしるしや朝雲
主人拙(せつ)を守る十年つくね藷(いも)
藤咲くや日もうらうらと奈良の町
蠟梅(らふばい)や枝疎(まばら)なる時雨空
抜き残す赤蕪いくつ余寒哉
古草にうす日たゆたふ土筆かな
鯉が来たそれ井月(せいげつ)を呼びにやれ
野茨にからまる萩の盛りかな
井月の瓢(ひさご)は何処へ暮(くれ)の秋
襟巻のまゝ召したまへ蜆(しじみ)汁
風吹くや人無き路の麻の丈
夕立の来べき空なり蓮の花
酒赤し、甘藷畑、草紅葉
井月ぢや酒もて参れ鮎の鮨
静かさに堪へず散りけり夏椿
萱草(くわんざう)も咲いたばつてん別れかな
旅立つや真桑も甘か月もよか
つるぎ葉に花のおさるるあやめかな
星月夜(ほしづくよ)山なみ低うなりにけり
雨に暮るる軒端の糸瓜(へちま)ありやなし
鉄線の花咲き入るや窓の穴
幾秋を古盃や酒のいろ
ぬかるみにともしび映る夜寒かな
行秋(ゆくあき)の呉須(ごす)の湯のみや酒のいろ
冴え返る夜半(よは)の海べを思ひけり
臘梅(らふばい)や雪打ち透かす枝の丈
松かげに鶏(とり)はらばへる暑さかな
栴檀の実の明るさよ冬のそら
かひもなき眠り薬や夜半の冬
切支丹坂を下り来る寒さ哉
迎火(むかへび)の宙歩みゆく竜之介