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中村文則『教団X』を読みました。

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今日、中村文則の『教団X』(2014)を読み終えました。彼の作品の中では最長(約560ページ)です。内容等については、以下の通りです。
 謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。絶対的な悪の教祖と4人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。著者最長にして圧倒的最高傑作。(Amazon商品説明より)

◆著者は「あとがき」で「世界と人間を全体から捉えようとしながら、個々の人間の心理の奥の奥まで書こうとする小説。こういう小説を書くことが、ずっと目標の一つだった。これは現時点での、僕の全てです。」と述べていますが、彼の思いとは裏腹に残念な作品になってしまいました。

◆たくさん勉強して書きました、ということが鼻につく作品です。ヒンドゥー教や仏教、脳科学、宇宙などについて登場人物に延々と語らせますが、難解だし、決して作品の質を高める要素にはならなかった思います。

◆ストーリーは最初は惹きつけられますが、途中からはただダラダラと読まされているといった感じです。そして、何と言っても酷いのがセックスの描写です。何でもストレートに書けばいいってもんじゃありません。セックスの場面を映像にしたら、そのまんまアダルトビデオです。この作品にとってセックスは重要な要素ですが、これじゃ映像作品化は無理でしょう。

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