今日、村上春樹の『村上さんのところ』(2015.7)を読み終えました。
以下、著者の回答のうち、気になったものを引用しました。
以下、著者の回答のうち、気になったものを引用しました。
024 『1Q84』の続編は!?
(前略)
『1Q84』の続編(BOOK4)は書こうかどうしようか、長いあいだずいぶん迷ったんだけど、そのためには前に書いた三冊を読み返して、いちいちメモとかをとらなくてはならず、とても複雑な話なので「それもちょっと面倒かな」と二の足を踏んでいます。僕はあまり準備をしてものを書くというのが好きではないので。可能性をいろいろと探っているところです。結論はまだ出ていません。僕の印象では『1Q84』にはあの前の話があり、あのあとの話があります。いわば長い因縁話みたいになっています。それを書いた方がいいのか、書かないままにしておいた方がいいのか……。
『1Q84』の続編(BOOK4)は書こうかどうしようか、長いあいだずいぶん迷ったんだけど、そのためには前に書いた三冊を読み返して、いちいちメモとかをとらなくてはならず、とても複雑な話なので「それもちょっと面倒かな」と二の足を踏んでいます。僕はあまり準備をしてものを書くというのが好きではないので。可能性をいろいろと探っているところです。結論はまだ出ていません。僕の印象では『1Q84』にはあの前の話があり、あのあとの話があります。いわば長い因縁話みたいになっています。それを書いた方がいいのか、書かないままにしておいた方がいいのか……。
025 京都で最も好きな場所は?
京都には僕の好きな場所がいくつかあります。毘沙門堂もわりに好きです。山科の駅からのんびり坂道を登っていく。この道が僕はけっこう気に入っています。近くにおいしいお蕎麦やさんもあります。帰り道は疎水沿いにぶらぶらと散歩します。桜と紅葉のシーズンは混んでいるけど、あとは比較的静かなところです。いつも一人で、あてもなく考え事をしながら歩いています。そういうのに向いている。それから鴨川べりをジョギングするのも好きです。
034 新しい音楽を聴くのが億劫で
気持ちはよくわかります。でも僕は思うんだけど、積極的に常に新しい音楽を聴き続けるという努力(かなりの努力です)をしていかないと、耳は確実に衰えます。だから僕はがんばって新しい音楽をなるべくたくさん聴くようにしています。よいものに巡り合える確率はかなり低いです。でも人間が生きていくというのは、確率の問題じゃないんです。がんばってください。 ※太字は引用者による
037 がっかりしませんか?
そうか、三十代後半で「年をとったな」と思うんだ。僕はその年代は生きることに忙しくて、そんなことを考える暇もありませんでした。自分の老化にがっかりすることはあるか? 実感することはあるけど、とくにがっかりはしないですね。年をとることは、それなりにメリットもあるからです。失うものもあれば、得るものもあります。失うものより得るものを少しでも多くしなくちゃ、というのが僕の目下の課題です。
043 頭をあちこちぶっつけながら
女の人を口説くのはなかなかむずかしいことです。まずだいいちに相手を選ばなくてはならないし、それから先方がきみのことをどのように考えているかを見極めなくてはならないし、それからきみの気持ちを相手に伝えなくてはならないし、相手の反応を見てどのように行動するかを決めなくてはなりません。すごくプロセスが面倒です。そのあいだに傷ついたり、落ち込んだりすることもたくさんあります。でもだいたいの人はそうやって、いろんなところに頭をぶっつけながら、いくつかのコツを学んでいくのです。僕だって見当違いなことをいっぱいやりました。人も傷つけたし、自分も傷つきました(具体的な体験談まではできませんが)。でも人生にはそういうのが必要なんです。ほんとに。がんばってくださいね。
049 怒れない私はヘンですか?
友だちに裏切られても、恋人に浮気されても怒らない……いいじゃないですか。僕もあなたと同じようにだいたい「ま、しょうがないか」と思っちゃう性格です。だから気持ちはよくわかります。でも怒り狂って相手を殴りつけたり、陰湿なストーカーになったりするのに比べたら、ずっといいじゃないですか。人に迷惑もかけないし。
それは自我や感情がないというようなこととは違います。あなただって、そんなことをされて心が傷ついているのでしょう? でもそれを表には出さずに、自分の中にそっと沈めているだけなのでしょう? 自分で静かに悩んで、自分の内側を広く大きくしていけばいいんです。なにも気にすることありません。 ※太字は引用者による
それは自我や感情がないというようなこととは違います。あなただって、そんなことをされて心が傷ついているのでしょう? でもそれを表には出さずに、自分の中にそっと沈めているだけなのでしょう? 自分で静かに悩んで、自分の内側を広く大きくしていけばいいんです。なにも気にすることありません。 ※太字は引用者による
052 ♪踊り踊るなら
リアルでクールな村上ですので、傘振りと「東京音頭」はパスしています。静かに応援しています。フィリップ・マーロウが神宮の外野席で傘振りしますか? ジェイ・ギャツビーが緑色の灯火を見つめながら東京音頭を歌いますか?
058 ひとりランチが苦痛
僕は料理が来るのを待っている間はだいたい本を読んで、料理が来るとそれを集中して食べ、食べ終わるとそのままさっと出ます。そういう流れができているので、とくに一人ご飯を苦痛には思いません。でもときどき本を忘れることがあって、そういうときは間が持たなくて困ります。メニューを隅から隅まで読んだりして。あるいはこれまでに関係を持った女性を頭から順番に思い出していきます。だいたい73人目くらいで料理が来ます。というのはまったくの嘘です。
120 漫画やアニメを見ないのですか?
残念ながら、人生の持ち時間にはそれぞれ限りがあります。一人の人間が何もかもをカバーするのは現実的に不可能です。だからある程度の年齢になると、興味の対象を絞って活動していかなくてはなりません。(中略)
僕は文楽はときどき観に行きます。見出すと面白いですよ。でもなぜか歌舞伎は行かない。野球は見ますが、バスケとラグビーは見ません。どうしてか? ただ何もかもと関わっているだけの時間的余裕がないからです。年齢を重ねるにつれて、時間はどんどん過ぎ去る速度を上げていきます。あんたもある程度の歳になると、そのへんの感じはおわかりになるのではないでしょうか。
僕は文楽はときどき観に行きます。見出すと面白いですよ。でもなぜか歌舞伎は行かない。野球は見ますが、バスケとラグビーは見ません。どうしてか? ただ何もかもと関わっているだけの時間的余裕がないからです。年齢を重ねるにつれて、時間はどんどん過ぎ去る速度を上げていきます。あんたもある程度の歳になると、そのへんの感じはおわかりになるのではないでしょうか。
125 文章の手本を見つけましょう
情景描写と心理描写と会話、というのがだいたいにおいて、小説にとっての三要素みたいになります。この三つをどうブレンドしていくかというのが、小説家の腕の見せ所です。スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』が、そういう点において、僕の教科書になりました。この三要素のブレンドに関して言えば、これはもう完璧な小説です。どこを取り上げても、ぴたーっと決まっています。実に見事です。読んでいるだけで勉強になります。(後略)
162 小説家としての冥利
出口を見失って苦しんでいる人に、「出口はあるかもしれない」と思わせることができたらいいなあと思っています。もし誰かにそういう影響を与えられたら、小説家としては冥利に尽きます。
202 本当に困っているだけに話せません
そうですね。本当に困っていることって、誰にも話せません。僕も同じです。自分で考えて、なんとかやってきました。そうやって生きているとだんだん「自分力」がついてきます。「自分力」、大事ですよ。ただ偏狭にならないようにくれぐれも気をつけてくださいね。ときどき部屋の窓を開けて、空気を入れ換えることが大事になります。
220 最近、どんな本を読んでいますか
僕はノンフィクションが好きでよく読んでいます。実際には小説よりは非小説を読むことの方が多いと思いますよ。ビジネス書はあまり読みません。雑誌もあまり読みません。新書はたまに読みます。最近読んでいるのは(再読ですが)ジュリアン・ジェインズの『神々の沈黙――意識の誕生と文明の興亡』です。分厚い本だけど、何度読んでもとても興味深い。バランスをとるためにLee Childの『Bad Luck and Trouble』を併読しています。これ、けっこうよく書けています。Hope the best, prepare for the worst.(最良を望みつつ、最悪に備えるんだ)というのが主人公ジャック・リーチャーの金言です。クールですね。
225 呼び名は統一しております
このサイトでは「村上主義(Murakamism)」あるいは「村上主義者(Murakamist)」という呼び名でいちおう統一しております。誰がこしらえたのかは知りませんが、「ハルキスト」というのは語感がいささかチャラいので、とりあえず無視しませんか。世の中には「村上主義」というものがはっきりと存在します。一種の世界の眺め方です。それをとる、とらないはもちろん個人の自由です。僕はそういうものを誰にも押しつけるつもりはありません。ただそういうものがあるというだけです。
228 男が抱く「孤独の予感」
そうですね。たとえ彼女がいても妻がいても、男というのはいつも基本的に「女のいない男たち」なんだという気がします。自分がどこに繋がっているのか、誰に繋がっているのか、しばしば確信が持てなくなります。それは(あくまで僕の感触によればですが)女性が一般的に男女関係に対して感じている感じ方とは、少し違っているかもしれません。いつ自分が夜の海に一人で放り出されるかもしれないという、孤独の予感のようなものを男はいつも抱いています。というか、そんな風に僕は感じてしまいます。それはあなたが感じていることとだいたい同じでしょうか?
232 村上さんなら何と答えますか?
(前略)
たしか『ノルウェイの森』で、緑さんがお父さんの葬儀の少しあとで、「僕」と一緒に新宿にポルノ映画を見に行くシーンがあったと思います(よく覚えていないんだけど)。緑さんはたぶんあなたと同じくらいの年齢だと思います。よかったら読んでみてください。言葉にならないことってすごく大事なんです。だからそれだけに、言葉をあまり責めないように。
たしか『ノルウェイの森』で、緑さんがお父さんの葬儀の少しあとで、「僕」と一緒に新宿にポルノ映画を見に行くシーンがあったと思います(よく覚えていないんだけど)。緑さんはたぶんあなたと同じくらいの年齢だと思います。よかったら読んでみてください。言葉にならないことってすごく大事なんです。だからそれだけに、言葉をあまり責めないように。
276 友達がいない、欲しくもない
48歳で既婚で、友だちがいない。普通だと思いますよ。いなくてもとくに不自由ありませんよね? だったらそれでなんの問題もありません。ちっとも気にすることありません。友だちの多さと、その人の人間的魅力は、かならずしも連動していないと思います。
296 物語がすーっと沁み込んでくる
(前略)
この前も同じようなことを書いたんですが、心が弱っているとき、あるいは落ち込んでいるとき、僕の小説を「避難所にして充電場所」として使っていただけると、僕としてはとても嬉しいです。それも小説というものの大事な役目ですから。逃げ込むだけでは足りないんですよね。そこからエネルギーを受け取る必要があります。
(後略)
この前も同じようなことを書いたんですが、心が弱っているとき、あるいは落ち込んでいるとき、僕の小説を「避難所にして充電場所」として使っていただけると、僕としてはとても嬉しいです。それも小説というものの大事な役目ですから。逃げ込むだけでは足りないんですよね。そこからエネルギーを受け取る必要があります。
(後略)
340 パティ・スミスに会って
実を言いますと、僕は彼女がパンク・ロックの人だとはぜんぜん知らなかったんです。僕は何がパンクで、何がパンクじゃないか、みたいなことはあまり考えずに音楽を聴いてきました。グランジだとか、ユーロなんとかだとかヘビメタだとか、そういうものの定義もよくわかりません。でもジャンルとは関係なく、いくつかの彼女の曲は昔から聴いていました。彼女がブルース・スプリングスティーンとつくった「Because the Night」は素敵な曲ですよね。このあいだWOWOWで「ブルース・スプリングスティーン・トリビュート」を見ていたら、彼女がこの曲を歌っていました。素晴らしい歌唱でした。
351 村上さんが落ち込んだ時に救われたものは?
時間がいちばん大きいですね。時間はいろんなことを解決してくれます。ゆっくりと、でも確実に。その時間が過ぎていくあいだ、僕は本を読み、走り、音楽を聴き、旅行していました。だいたいはローマに住んでいました。日本から遠く離れていることもよかったかもしれません。ローマなる古城のほとり、雲白くパスタ悲しむ……というのは前にも一度書きましたね。一度でじゅうぶんですね。
352 「文体づくり」を教える国語教師より
文体は人の生き方と同じですから、急に「文体をつくりなさい」と言われてつくれるものではありません。経験を積み、知識を蓄積し、試行錯誤を経て、初めて身につくものです。でもとっかかりみたいなものは必要ですよね。まず「誰かの真似をする」ところから始められると良いと思います。もちろん真似といっても、そのままそっくりなぞるのではなく、自分の好きな文章を書く作家からヒントみたいなものをもらって、「それ風に」書くわけです。でもそういうのって、他人の服を着ているのと同じですから、どうも細かいところが身体に合いません。そういうところをちょっとずつ調整していくと、やがて自分の文体みたいなものが見えてくるはずです。だいたいの人がそうしていると思いますよ。プロの作家だって、最初は模倣から出発している人が大半のはずです。
368 感受性の磨きかたを教えてください
感受性を磨くためにはどうすればいいか? とても漠然とした質問なので、僕の回答も漠然としたものになってしまいます。感受性を身につけるためには、努力が必要です。何かがほしいと思ったら、こちらも何かを差し出さなくてはなりません。大事なものがほしければ、大事なものを差し出す必要があります。ただほしいと思って身につくものではありません。僕はそれを「身銭を切る」と表現しています。もっと簡単にいえば、「痛い思いをして、身体で覚えていくしかない」ということです。ある程度痛い思いをしないと身につかないことってあるんです。
どんな痛い思いか? それは人によってそれぞれに違います。ひとつだけ言えるのは、気持ちよく生きて、美しいものだけを見ていても、感受性は身につかないということです。世界は痛みに満ちていますし、矛盾で満ちています。にもかかわらずきみはそこに、何か美しいもの、正しいものを見いだしたいと思う。そのためには、きみは痛みに満ちた現実の世界をくぐり抜けなくてはなりません。その痛みを我が身にひりひりと引き受けなくてはなりません。そこから感受性が生まれます。
少なくとも僕はそのように考えています。No pain, no gain.ということです。僕がきみくらいの歳のとき、何かを書こうと思っても、何も出てきませんでした。でも29歳になったときに、何かを書きたいと強く思いました。たぶんいろんな苦痛が、僕を成長させてくれたのだと思います。
どんな痛い思いか? それは人によってそれぞれに違います。ひとつだけ言えるのは、気持ちよく生きて、美しいものだけを見ていても、感受性は身につかないということです。世界は痛みに満ちていますし、矛盾で満ちています。にもかかわらずきみはそこに、何か美しいもの、正しいものを見いだしたいと思う。そのためには、きみは痛みに満ちた現実の世界をくぐり抜けなくてはなりません。その痛みを我が身にひりひりと引き受けなくてはなりません。そこから感受性が生まれます。
少なくとも僕はそのように考えています。No pain, no gain.ということです。僕がきみくらいの歳のとき、何かを書こうと思っても、何も出てきませんでした。でも29歳になったときに、何かを書きたいと強く思いました。たぶんいろんな苦痛が、僕を成長させてくれたのだと思います。
376 秘伝・読書感想文克服法
よくぞ訊いてくれました。僕は昔から読書感想文を書くのが得意でした。読書感想文を書くコツは、途中でほとんど関係ない話(でもどこかでちょっと本の内容と繋がっている話)を入れることです。それについてあれこれ好きなことを書く。そして最初と最後で、本についてちょろちょろっと具体的に触れる。そうするとなかなか面白い感想文がすらすら書けます。やってみてください。
401 妻の雑言に心底疲れてしまいます
お気持ちはよくわかります。でもそれはしょうがないことなんです。死と税金と潮の満ち干と妻の繰り言は、男の人生にとって避けることのできないものごとです。「うんうん」と適当にうなずきながら、ただ聞き流しているしかないと思いますよ。「そういう話は聞きたくない」なんて言っては駄目です。それは禁句です。昔イギリスに「キンクス」というバンドがありましたが。
409 立派な大人になるために必要なこと
気持ちはよくわかります。でも大人になるというのは、感受性をある程度奥の方にしっかり隠していくことなのです。心の殻をしっかり固め、蓋を分厚くしていきます。そうしないとこの世界を生き残っていけないからです。感受性をむき出しにしたまま生きていくのは、かなりきついですよ。きっと途中ですり切れてしまいます。
そのようにして人は、二つの世界を持って生きるようになります。殻の内側の世界と、殻の外側の世界です。そのバランスを上手にとって生きていくのが大人です。立派な大人になってください。
そのようにして人は、二つの世界を持って生きるようになります。殻の内側の世界と、殻の外側の世界です。そのバランスを上手にとって生きていくのが大人です。立派な大人になってください。
415 プロとアマチュアの境目はどこに
(前略)
ただ個人的な意見を言わせていただければ、愚痴や不平や人の悪口ばかり言っているような人間を、僕はプロとは呼びたくないですね。本当のプロというのは黙って耐えるものです。まわりがなんと言おうと、自分のやるべきことをただ黙々と、手抜きなしに続けている人間です。僕はそう考えて生きていますが、そうでもないのかな。
ただ個人的な意見を言わせていただければ、愚痴や不平や人の悪口ばかり言っているような人間を、僕はプロとは呼びたくないですね。本当のプロというのは黙って耐えるものです。まわりがなんと言おうと、自分のやるべきことをただ黙々と、手抜きなしに続けている人間です。僕はそう考えて生きていますが、そうでもないのかな。
442 人が精一杯生きていることを肌身で感じてもらえたら
メールありがとうございます。僕が『アンダーグラウンド』という本の中でいちばん書きたかったのは、あの朝の列車に乗り合わせていた人たちは、みんな自分の持ち場で一生懸命、精一杯生きている人たちなんだということでした。たとえどんな理由があるにせよ、どんな大義があるにせよ、そのような人々を傷つけたり、殺したりする権利は誰にもないんです。そんなことをする意味はどこにもないんです。それは理屈では当たり前のことなんだけど、理屈じゃなく、そのことを肌身でみんなに感じてもらいたかった。あなたがそれを肌身に感じていただけたようで、僕はとても嬉しいです。
443 「物語」と「詩」の境目
レイモンド・カーヴァーは詩人であり、短編小説家です。僕が1984年にカーヴァーに会ったとき、「あなたの短編小説はまるで詩のようだし、あなたの詩は短編小説のようだ」と言ったら、とても喜んでくれました。奥さんのテス(当時はまだ奥さんではなくパートナーでしたが)をわざわざ呼んで、「ねえ、この人はこんなことを言うんだよ」と教えていました。
詩と小説というのは交差するものです。僕は詩は書きませんが、短いストレッチの中で行われる心の転換(風景の捻転)という詩の根本原理は、僕が散文の文章を書く上でとても役に立っていると思います。カーヴァーの短編小説がそうであったのと、だいたい同じ原理で。
詩と小説というのは交差するものです。僕は詩は書きませんが、短いストレッチの中で行われる心の転換(風景の捻転)という詩の根本原理は、僕が散文の文章を書く上でとても役に立っていると思います。カーヴァーの短編小説がそうであったのと、だいたい同じ原理で。