今日、ウィリアム・サローヤンの短編集『僕の名はアラム』(1940、柴田元幸訳)を読み終えました。
この作品について、文庫本ブックカバー裏表紙の解説を引用します。
この作品について、文庫本ブックカバー裏表紙の解説を引用します。
僕の名はアラム、九歳。世界は想像しうるあらゆるたぐいの壮麗さに満ちていた――。アルメニア移民の子として生まれたサローヤンが、故郷の町を舞台に描いた代表作を新訳。貧しくもあたたかな大家族に囲まれ、何もかもが冒険だったあの頃。いとこがどこかから連れてきた馬。町にやってきたサーカス……。素朴なユーモアで彩られた愛すべき世界。 《村上柴田翻訳堂》シリーズ開始。
【収録作品】
この作品の時代背景は、巻頭の「序」によれば、1915年から25年となっています。つまり、1929年の世界大恐慌以前ということです。この時代のアメリカやそこで暮らす貧しい移民の生活についてはよくわかりませんが、この作品からは人々は貧しくても家族が寄り添って慎ましく暮らしていたことがわかります。いわゆる「古きよき時代」だったのでしょう。
この作品を読み、心温まる思いはしましたが、少し物足りない気持ちも残りました。また、この作品の登場人物達に大恐慌が訪れた時のことを想像し、暗い気持ちになりました。
この作品の時代背景は、巻頭の「序」によれば、1915年から25年となっています。つまり、1929年の世界大恐慌以前ということです。この時代のアメリカやそこで暮らす貧しい移民の生活についてはよくわかりませんが、この作品からは人々は貧しくても家族が寄り添って慎ましく暮らしていたことがわかります。いわゆる「古きよき時代」だったのでしょう。
この作品を読み、心温まる思いはしましたが、少し物足りない気持ちも残りました。また、この作品の登場人物達に大恐慌が訪れた時のことを想像し、暗い気持ちになりました。
◆美しい白い馬の夏
僕(アラム・ガログラニアン)以外のみんなから頭がおかしいと思われていた、いとこのムーラッドの話。僕が9歳だったある夏の午前4時、ムーラッドが美しい白い馬に乗って僕の部屋の窓の外に現れます。
◆ハンフォード行き
僕の情けないおじさんジョルギの話。彼は祖父の命令でハンフォードにスイカ獲りの仕事を探しに行くことになります。そして、僕も祖父の命令で彼の食事の世話をするためについて行きます。アルメニア人の家族は家長である祖父の権力絶大で、それによって家族の秩序が保たれている。そんなこともわかる作品です。
◆ザクロの木
史上ほぼ最低の農場主だった、僕のおじさんメリクの話。僕はおじさんの果樹園を手伝いますが、そこの土は砂漠の土で、木は育ちませんでした。
◆私たちの未来の詩人の一人、と言ってもいい
◆五十ヤード走
◆愛の詩から何からすべて揃った素敵な昔ふうロマンス
僕の1歳半年下のいとこアラクが黒板に書いた詩の話。
◆僕のいとこ、雄弁家ディクラン
ガログラニアン家唯一の学者兼雄弁家、僕の年下のいとこディクランの話。
◆長老派教会聖歌隊の歌い手たち
人生の11年目、僕がどうして長老派教会の聖歌隊の歌い手になったか、という話。
◆サーカス
サーカスが町にやって来るたび、僕と僕の長年の友だちジョーイは学校をサボってサーカス小屋に駆けつけました。もちろん、その代償として校長から鞭打ちの罰が与えられるのは覚悟の上でした。
◆三人の泳ぎ手
僕といとこのムーラッド、彼の友だちのジョーがトンプソン水路に泳ぎに行った話。
◆オジブウェー族、機関車38号
14歳の時、僕は若いオジブウェー族のインディアン「機関車(ロコモーティヴ)38号」と知り合います。
◆アメリカを旅する者への旧世界流アドバイス
ある年、僕のおじさんメリクがカリフォルニア州フレズノからニューヨークまで旅行に出かけました。汽車に乗る前、メリクおじさんのおじさんガルロがやってきて、旅の危険についていろいろ講釈します。
◆哀れな、燃えるアラブ人
僕のおじさんホスローヴが連れてきたアラブ人の話。
◆あざ笑う者たちに一言
僕はジコおじさんからこんな小さな町にいないでニューヨークへ行けと言われ、バスに乗ります。
僕(アラム・ガログラニアン)以外のみんなから頭がおかしいと思われていた、いとこのムーラッドの話。僕が9歳だったある夏の午前4時、ムーラッドが美しい白い馬に乗って僕の部屋の窓の外に現れます。
◆ハンフォード行き
僕の情けないおじさんジョルギの話。彼は祖父の命令でハンフォードにスイカ獲りの仕事を探しに行くことになります。そして、僕も祖父の命令で彼の食事の世話をするためについて行きます。アルメニア人の家族は家長である祖父の権力絶大で、それによって家族の秩序が保たれている。そんなこともわかる作品です。
◆ザクロの木
史上ほぼ最低の農場主だった、僕のおじさんメリクの話。僕はおじさんの果樹園を手伝いますが、そこの土は砂漠の土で、木は育ちませんでした。
◆私たちの未来の詩人の一人、と言ってもいい
◆五十ヤード走
◆愛の詩から何からすべて揃った素敵な昔ふうロマンス
僕の1歳半年下のいとこアラクが黒板に書いた詩の話。
◆僕のいとこ、雄弁家ディクラン
ガログラニアン家唯一の学者兼雄弁家、僕の年下のいとこディクランの話。
◆長老派教会聖歌隊の歌い手たち
人生の11年目、僕がどうして長老派教会の聖歌隊の歌い手になったか、という話。
◆サーカス
サーカスが町にやって来るたび、僕と僕の長年の友だちジョーイは学校をサボってサーカス小屋に駆けつけました。もちろん、その代償として校長から鞭打ちの罰が与えられるのは覚悟の上でした。
◆三人の泳ぎ手
僕といとこのムーラッド、彼の友だちのジョーがトンプソン水路に泳ぎに行った話。
◆オジブウェー族、機関車38号
14歳の時、僕は若いオジブウェー族のインディアン「機関車(ロコモーティヴ)38号」と知り合います。
◆アメリカを旅する者への旧世界流アドバイス
ある年、僕のおじさんメリクがカリフォルニア州フレズノからニューヨークまで旅行に出かけました。汽車に乗る前、メリクおじさんのおじさんガルロがやってきて、旅の危険についていろいろ講釈します。
◆哀れな、燃えるアラブ人
僕のおじさんホスローヴが連れてきたアラブ人の話。
◆あざ笑う者たちに一言
僕はジコおじさんからこんな小さな町にいないでニューヨークへ行けと言われ、バスに乗ります。
ウィリアム・サローヤン(1908-1981)
アメリカの小説家、劇作家。アルメニア系移民の子として米カリフォルニア州フレズノに生れる。高校卒業後は電報配達などをして生計を立てていたが、やがて小説を書き始め、人の善性を清澄に描く作品を数多く残した。日本では「第三の新人」の作家らに愛読されたことでも知られる。代表作に『僕の名はアラム』『人間喜劇』『パパ・ユーアクレイジー』『ママ・アイラブユー』などがある。(文庫本ブックカバーより)
アメリカの小説家、劇作家。アルメニア系移民の子として米カリフォルニア州フレズノに生れる。高校卒業後は電報配達などをして生計を立てていたが、やがて小説を書き始め、人の善性を清澄に描く作品を数多く残した。日本では「第三の新人」の作家らに愛読されたことでも知られる。代表作に『僕の名はアラム』『人間喜劇』『パパ・ユーアクレイジー』『ママ・アイラブユー』などがある。(文庫本ブックカバーより)