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御坂峠より富士を望む

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今日は休日出勤の代休だったので、念願の「御坂峠」に行ってきました。
峠は「富嶽百景」を読んで抱いていたイメージよりもだいぶ小さく(あるいは、狭く)感じました。しかし、峠から富士山が見えたので、首都高の渋滞を抜けて行った甲斐があったと思いました。ただ、東海道新幹線から見る(つまり、太平洋側から見る)、まわりに何もない富士山の方が雄大だと思いました。

【参考】(太宰治「富嶽百景」より)
「昭和十三年の初秋、思いをあらたにする覚悟で、私は、かばんひとつさげて旅に出た」という太宰が向かった先は、山梨県の御坂峠でした。そこの天下茶屋に井伏鱒二が滞在していたからです。当初、太宰は御坂峠から見た富士山の印象を次のように酷評していました。
 この峠は、甲府から東海道に出る鎌倉往還の衝に当っていて、北面富士の代表観望台であると言われ、ここから見た富士は、むかしから富士三景の一つにかぞえられているのだそうであるが、私は、あまり好かなかった。好かないばかりか、軽蔑さえした。あまりに、おあつらいむきの富士である。まんなかに富士があって、その下に河口湖が白く寒々とひろがり、近景の山々がその両袖にひっそり蹲って湖を抱きかかえるようにしている。私は、ひとめ見て、狼狽し、顔を赤らめた。これは、まるで、風呂屋のペンキ画だ。芝居の書割だ。どうにも註文どおりの景色で、私は、恥ずかしくてならなかった。

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御坂峠から富士山を望む。手前に河口湖が見える。

イメージ 2

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天下茶屋

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