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my 見仏記29~奈良西大寺展(再)

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 今日、三井記念美術館に「奈良西大寺展」(4月15日~6月11日)を見に行ってきました。会期末だし、今日から京都・浄瑠璃寺の吉祥天立像が展示されるからでしょう、前回よりも多くの観客であふれていました。
 今日は吉祥天立像だけが目当てでしたが、同じ浄瑠璃寺の地蔵菩薩立像にも目が止まりました。これまで地蔵菩薩にはほとんど関心が持てませんでしたが、今日は違いました。その穏やかで優しげな表情に心が惹かれたのかもしれません。

 「奈良西大寺展」は東京を皮切りに、大阪、山口と続けて開催されます。なお、出品される仏像等は西大寺のものだけではなく、西大寺を総本山とする真言律宗一門の寺院からも数多く出品されています。昨年東京国立博物館で見て以来、もう一度お寺で見たいと思っていた宝山寺の矜羯羅(こんがら)童子立像と制迦(せいたか)童子立像もこの展覧会に出品されます。ただし大阪会場のみということで、宝山寺に行きたい気持ちが一層強まったように思います。
 西大寺と宝山寺をはじめとする多くの一門寺院との関係がわかったので、今後はその辺を手がかりに見仏したいと思います。

吉祥天立像(京都・浄瑠璃寺)(奈良西大寺展HPより)
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吉祥天(きちじょうてん)
 インドの幸運と美の女神ラクシュミーを仏教が取り入れ、新たに生み出されたのが吉祥天。吉祥天女、吉祥功徳天、功徳天ともよばれます。「金光明最勝王経」に説かれる吉祥天は、日本では天下泰平、五穀豊穣、財宝充足を祈願する「吉祥悔過会(けかえ)」の本尊として、奈良時代以降から国家的に信仰されていました。その一方で個人的に祀った例も見られ、古くから人気の高い神だったことがわかります。
 日本の吉祥天像は、唐風の貴婦人の服装をし、宝冠や瓔珞(ようらく)(ネックレス)などで身を飾った天女形で表される場合がほとんどで、たいへん人間に近い姿をしています。右手を与願印(よがんいん)にし、左手には何でもかなえてくれるという如意宝珠(にょいほうじゅ)を持って、蓮華座に立つ像が多く見られます。独尊だけでなく、夫といわれる毘沙門天と対に、あるいは善 師(ぜんにし)童子とともに毘沙門天の左脇侍となり、三尊形式をとる例もあります。(石井亜矢子『仏像の見方ハンドブック』より)

吉祥天立像(京都・浄瑠璃寺)
 木造 像高90cm 鎌倉時代 重文
 王朝の美女そのままの、彩色も装飾も華麗な像。膨らんだ袖、ひるがえる裾などの執拗な表現に、中国・宋代の影響がうかがえる。開扉は1月1日~15日、3月21日~5月20日、10月1日~11月30日。(同)

※当時の様式で、当時の理想の美人像を描いたものですから、現代の私たちからしたら違和感を覚えるのは仕方ないと思います。しかし、この像の表情や姿からは気品や厳かさを感じますし、やはり美しい仏像だと思います。

地蔵菩薩立像(延命地蔵)(京都・浄瑠璃寺)(図録をコピー)
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地蔵菩薩
 釈迦が入滅し、弥勒菩薩がこの世に生まれるまでの無仏世界に現れ、地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人、天の六道を輪廻して苦しむ人々を救済するという菩薩。
 浄土信仰が高まり、地獄の思想が定着した平安時代以降は、地獄に堕ちることを恐れた人々に盛んに信仰された
こともあり、日本では主に独尊として祀られます。道端の石仏にも、地蔵菩薩像は多く見られます。
 髪がない剃髪、袈裟を身に着ける僧形で、立像、坐像のほか半跏像もあります。左手に宝珠を持つ像と、左手に宝珠、右手に錫杖をとる2タイプが多く、まったく持物を持たない例もあります。高僧像と似ていますが、老人に造られることが少ないのが地蔵菩薩像の特徴です。
 阿弥陀如来像の脇侍として、虚空蔵菩薩とともに祀られたり、観音像と対で薬師如来像の脇侍となる例もあります。(石井亜矢子『仏像の見方ハンドブック』より)

◆グッズ・土産
・絵ハガキ

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