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村上春樹『螢・納屋を焼く・その他の短編』を読みました。(再)

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 今日、村上春樹の短編集『螢・納屋を焼く・その他の短編』(84)を読み終えました。
 この短編集について、ブックカバー裏表紙の解説を引用します。
 秋が終り冷たい風が吹くようになると、彼女は時々僕の腕に体を寄せた。ダッフル・コートの厚い布地をとおして、僕は彼女の息づかいを感じとることができた。でも、それだけだった。彼女の求めているのは僕の腕ではなく、誰かの腕だった。僕の温もりではなく、誰かの温もりだった……。もう戻っては来ないあの時の、まなざし、語らい、想い、そして痛み。リリックな7つの短編。

【収録作品】

 のちに『ノルウェイの森』(87)に組み込まれた作品。この作品では名前を与えられていませんが、友人は「キズキ」、その恋人は「直子」になります。久々に『ノルウェイの森』を読もうと思いました。

納屋を焼く
 「僕」はガール・フレンドの新しい恋人から「納屋を焼く」という話を聞かされます。そして、次に焼くのは「僕」の家の近くだということも。「僕」は近隣の納屋を調べ、焼かれるべき納屋を特定します。しかし、それらが焼かれた様子はなく、彼は「僕」に納屋を焼かせようとしているのかとさえ思ってしまいます。
 心に闇を抱えた青年、そして突然消えてしまう女性。どちらも村上作品によくある設定です。

踊る小人
 1頭の象から5頭の象を作り出すという象工場が舞台。「踊る小人」は革命政府から追われているようです。その小人は夢を通じて「僕」に接触し、僕の体を奪おうとします。
 「僕」は小人の罠にかかることなく、とびっきり綺麗な女の子をモノにしますが、小人が一時的に「僕」の中に入ったことを人々に知られ、「僕」は国中の官憲から追われることになります。
 とびっきり綺麗な女の子がグロテスクに変貌するシーン、映像化したらとても恐ろしいし、気持ち悪いでしょう。

めくらやなぎと眠る女(ロング・バージョン)
 「僕」は年の離れたいとこを病院の耳鼻科に連れて行きます。いとこが診察を受けている間、「僕」は高2の夏休み、友人と二人で、彼の彼女を病院に見舞ったことを回想します。そして、彼女が語った「めくらやなぎ」の話を思い出します。
 ショート・バージョンに比べ、病院に向かうバスの部分が長過ぎるので、「めくらやなぎ」の話が散漫になってしまったように思います。

三つのドイツ幻想
1 冬の博物館としてのポルノグラフィー
2 ヘルマン・ゲーリング要塞 1983
3 ヘルWの空中庭園かっこ



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