今日、熊谷達也の『微睡(まどろ)みの海』(14)を読み終えました。
この作品について、ブックカバー裏表紙の解説を引用します。
この作品について、ブックカバー裏表紙の解説を引用します。
2010年春、東北の港町・仙河海(せんがうみ)市の美術館で働く笑子(えみこ)は、教育者の両親を持ち、優等生を演じてきたため、心身に不調をきたすほどだった。副館長の菅原との情事の時だけが、生きている実感が持てた。しかし昔勤務していた中学校の教え子、祐樹との再会がそれを許さなかった。年の離れた2人の男性との激しい性愛に堕ちていく笑子。生命を燃やし、相手を求める笑子が、最後に決心したものとは――。肉体の純愛小説。
【感想等】
◆主人公・昆野笑子は教員として挫折し、現在は美術館の学芸員をしています。そして、かつての恩師と不倫関係にあり、さらに教員時代の教え子とも恋に落ちます。
こう書くと、とてもスキャンダラスな作品のようですが、巻頭の
目次を見た途端緊張し、読み終えるまでそれがずっと続きました。
この作品は最初の章が「2010年4月19日(月)PM」で、以降も同様に日時がタイトルになっています。そして、最終章「2011年3月10日(木)PM」で終わっています。
この作品の舞台「仙河海市」は宮城県気仙沼市をモデルにしていて、いやが応にも東日本大震災(2011年3月11日)を連想してしまいます。
◆主人公・昆野笑子は教員として挫折し、現在は美術館の学芸員をしています。そして、かつての恩師と不倫関係にあり、さらに教員時代の教え子とも恋に落ちます。
こう書くと、とてもスキャンダラスな作品のようですが、巻頭の
目次を見た途端緊張し、読み終えるまでそれがずっと続きました。
この作品は最初の章が「2010年4月19日(月)PM」で、以降も同様に日時がタイトルになっています。そして、最終章「2011年3月10日(木)PM」で終わっています。
この作品の舞台「仙河海市」は宮城県気仙沼市をモデルにしていて、いやが応にも東日本大震災(2011年3月11日)を連想してしまいます。
◆主人公の挫折も再生も恋愛も、さまざまな思いや願いも、津波によって木っ端微塵にされてしまうのでしょうか?
◆『リアスの子』(13)の早坂希が、主人公の中学校時代の同級生として登場します。近いうちに『リアスの子』を読もうと思います。
◆作品中にブリヂストン美術館所蔵のギュスターヴ・モロー「化粧」が登場します。ブリヂストン美術館は現在休館中ですが、来年秋に再開予定なので、その時はぜひ訪ねたいと思います。