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池波正太郎『剣客商売五 白い鬼』を読みました。

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 今日、池波正太郎の剣客商売シリーズ第5作『剣客商売五 白い鬼』(1975)を読み終えました。
 この作品について、ブックカバー裏表紙の解説を引用します。
 秋山小兵衛の若き日の愛弟子が斬り殺された事件と、江戸市中の三か所で女が殺され、陰所と左の乳房が抉られていた事件。二つの事件の接点に浮かび上がった異常な殺人鬼の正体を、復讐の念に燃えた小兵衛が追う「白い鬼」。試合に負けたらその相手の嫁になるという佐々木三冬の話にうろたえる大治郎を描く「三冬の縁談」。もう一人の女剣士「手裏剣お秀」の登場など、シリーズ第5弾。

【感想等】
 この作品は、秋山小兵衛・大治郎親子がその剣の力を使って、さまざまな事件を解決していくというものです。小兵衛と大治郎のうち、多くの事件では小兵衛の働きが目立っていますが、中心となった方に★を付します。

白い鬼
 幼い頃の不幸な経験が金子伊太郎を偏執的な殺人鬼にしてしまいました。凄腕の伊太郎を軽く倒してしまう秋山小兵衛は強過ぎます。

◆主な登場人物(登場順)
・竜野庄蔵
・金子伊太郎
・秋山小兵衛★
・田中宗作
・秋山大治郎
・弥七
・野村房之介
・お順
・傘屋の徳次郎

西村屋お小夜
 『雲霧仁左衛門』を読んでいたので、この作品に登場する盗人宿や盗賊一味のことがよく理解できました。『剣客商売』というより、(まだ読んでいませんが)『鬼平犯科帳』っぽい作品だと思います。登場人物の中で誰がいちばん不幸かっていうと、西村屋お小夜かなって思います。

◆主な登場人物(登場順)
・佐々木三冬
・松屋利太郎
・西村屋お小夜
・土竜の弁助
・秋山大治郎★
・飯田粂太郎
・弥七
・梅之助
・忠五郎
・松田官兵衛

手裏剣お秀
 凄腕の手裏剣使い・杉原秀(ひで)登場。今後、準レギュラーとして登場すればいいなと思います。おはるは初対面の秀を見て「先生。私、このひとのほうが、三冬さまより、ずっと好きだよう」と言います。秀が「まったく化粧の気もなく、日に灼けた顔の黒く濃い眉、大きな両眼。女にしてはふとやかな鼻すじ。一文字に引きむすばれた唇」で、三冬と違い、嫉妬の対象にならないからでしょう。

◆主な登場人物(登場順)
・秋山小兵衛★
・鰻売りの又六
・益田忠六
・加藤勝之助
・木下源太郎
・川井右近
・弥七
・傘屋の徳次郎
・杉原秀
・野口平馬

暗殺
 この作品では3人が暗殺の対象とされますが、それぞれの剣戟シーンを映像化したら、迫力があっておもしろいだろうと思います。最後の暗殺は意外でしたが、『剣客商売』というより、(まだ読んでいませんが)『仕掛人・藤枝梅安』っぽくていいなと思いました。

◆主な登場人物(登場順)
・秋山大治郎★
・笹野小文吾
・杉浦丹後守正峯
・鈴木市兵衛
・秋山小兵衛★
・弥七
・玉吉
・傘屋の徳次郎
・釜本九十郎

雨避け小兵衛
 秋山小兵衛が畑の中の小屋で雨宿りをしていると、そこに女の子を抱きかかえた浪人が逃げ込んできます。小兵衛は押入れに隠れ、様子をうかがいます。どうやら
人質事件に巻き込まれてしまったようです。

◆主な登場人物(登場順)
・秋山小兵衛★
・おはる
・関山虎次郎
・万右衛門
・おふさ
・おみつ

三冬の縁談
 三冬の縁談に動揺する秋山大治郎。その時、父小兵衛は・・・。剣戟シーンは迫力があり、映像が頭に浮かんできます。

◆主な登場人物(登場順)
・佐々木三冬
・秋山大治郎
・秋山小兵衛★
・弥七
・大久保兵蔵

たのまれ男
 人が殺されようとしている現場を偶然目撃し、助けたら知り合いだった。全くのご都合主義ですが、いいんです。今回に限ったことではありませんし。

◆主な登場人物(登場順)
・秋山大治郎★
・秋山小兵衛
・小川宗哲
・小針又三郎
・おかね
・杉山米次郎
・銀平
・百助

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