Quantcast
Channel: my photo diary
Viewing all articles
Browse latest Browse all 681

村上春樹他『地球のはぐれ方』を読みました。

$
0
0
イメージ 1

今日、村上春樹・吉本由美・都築響一共著の旅行記『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』(04)を読み終えました。読み始めたのは数年前ですが、途中何度も投げ出したため、今日になってしまいました。
『CREA(クレア)』9月号掲載の村上春樹のエッセイ「熊本旅行記」に、「僕が熊本にやってきた第一の理由は、『東京するめクラブ』のリユニオン(同窓会)をおこなうことにあった」という文章と、同行者として都築響一(撮影)と吉本由美(旅の案内)の名前が載っていました。で、いいきっかけが出来たと思い、『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』の未読だった部分を読みました。

【目次】

魔都、名古屋に挑む

食材編 失われた世界としての名古屋
 怪食王〈マウンテン〉/名古屋食図鑑/怒濤のモーニング・サービス
文化編 日本は世界の名古屋だったのか
 名古屋道路事情/美宝堂のVIPルーム/さくらアパートメント/名古屋ボストン美術館とミイラの呪い/花泥棒ってなんだ/百貨堂/ナゴヤドーム 常設夜店みたいな球場/結婚狂想曲/射撃場/名古屋に来たらラブホテル/女装クラブ
座談会 オー・マイ・ゴッド・名古屋

62万ドルの夜景もまた楽し――熱海

諦観の静けさに幸あれ
 熱海城+空想美術館+熱海秘宝館/熱海復興の一翼を担うとんび、ここに在り/風雲文庫 カフカエスクな妄想の迷宮/アカオ・リゾート公国におけるお楽しみのいくつか/MOA美術館/ふしぎな町1丁目/熱海ナイトクルーズの密かな悦び/うさみ観音寺
座談会 熱海改造大計画。私たちにまかせてくれたら……

このゆるさがとってもたまらない――ハワイ

夢のハワイで盆踊り
 アロハシャツをオーダーする/ルアウ――ツーリスト・スポットの王道/シーライフ・パークにて/〈トップ・オブ・ワイキキ〉/アトランティス・サブマリンで海中散歩/ドン・ホー・ショーのスロー・ジョーク/ウクレレを弾いてみた!/〈魚卓〉のローカル和食/〈キャッチ・オブ・ザ・デイ SUSHI〉/ハワイといえばマイタイですね/(ほぼ)最後のチキ・バー/〈KCドライブイン〉/オアフ島神社仏閣巡り/お伊勢詣りとしてのホノルル・マラソン
座談会 がんばるだけムダな街なんだよね

誰も(たぶん)知らない江の島

へぇ、江の島ってこうだったのか
 江ノ電/江の島で「お泊まり」/一四億円の岩屋/坂道巡り/エスカーとは!?/江島神社/縁結び系の隆盛/江ノ島水族館/江の島ノラ猫ウォッチング/お土産を買わなくっちゃ 拭ホノルル食堂
座談会 秋の雨降る江の島で

ああ、サハリンの灯は遠く

サハリン大旅行
 コルサコフからフェリーに乗る/サハリンの人気ビーチ/ホルムスク 旧王子製紙真岡工場など/ネベリスクの岸壁にトドのハーレムがあった/サハリンのホテルで北朝鮮の流行歌が歌えます/北辺のミニ・キャンプ/サハリンのオットセイが日本のお父さんたちを救った話
ワイルド・ウェストとしてのサハリン
 イワナ釣り/ユジノサハリンスクの自由市場/サハリン州郷土博物館二日酔いの特効薬中古車事情/ガガーリン公園 セピア色の遊園地/コミュニズムと銅像/昔ながらの町並み/北の国のスモーキーマウンテン
座談会 日本人はカニのミソまで食べるのかね

清里――夢のひとつのどんづまり

清里 メルヘンの果て
 ペンション考/メルヘン・ストリート、ナウ/花の森公園など/ポール・ラッシュ――清里の生みの親/トウモロコシ畑のキャッチャー/お土産を買わなくっちゃ◆一味違う〈萌木の村〉
座談会 山梨ガレイなんて食べたくないんですけど

【感想】
 この本の情報をもとに旅の計画を立てるのは難しいと思います。この本の元になった旅行記が『TITLE』という文藝春秋社の月刊誌に掲載されたのは2002年~2004年。情報が古すぎます。このことは村上による巻頭の「『地球のはぐれ方』のための前書きのようなもの」にも、以下のように書かれています。
 ひとつお断りしておきたいのですが、この本はいちおう旅行記ではありますが、実用的なガイドブックではありません。情報は正確を期していますが、アップデートまではされておりません。ですから雑誌記事のために現地取材した当時とは既に事情が変わってしまった、というものごとも少なからずあります。(中略)そういう具体的な変化を、単行本化するときに脚注のようなかっこうで付け加えようかとも思ったのですが、そういうのってやりだすとキリがないし、すべての情報をくまなくフォローすることもできそうにないし、「まあ、ガイドブックじゃないんだから」ということでにこやかにお茶を濁し、ほとんどそのままのかたちにしてあります。「行ってみたらこの店はもうなくなっていた」みたいなこともひょっとしたらあるかもしれません。まことに申し訳ありませんが、そのへんはご容赦ください。世界は日々移り変わるし、価値は転換するし、かたちあるものはいつか消えていくものなのです。

「ああ、サハリンの灯は遠く」の冒頭にはチェーホフの旅行記『サハリン島』(1895)が取り上げられていますが、既に購入済みだったので、近いうちに読みたいと思います。




 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 681

Trending Articles