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久々湊盈子歌集『紅雨』を読みました。

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今夜、久々湊盈子の第六歌集『紅雨』(04)を読み終えました。



以下、一読して気になった歌を引用します。


 コスモスに来ている風を目に追えばこころはしばし凪ぐがごとしも
 生きながら溺るるという仕合せもきっとあるらむ満天の星
 酢に浸(ひ)でて氷頭(ひず)は食うべしかの冬のかの雪の夜を思いながらに
 腐りかけがもっとも匂うカリンの実出窓に忘れ春となりたり
 われに遠き前衛論また戦後論開き過ぎたる木蓮が散る

 身勝手な言い分ふんふん聞いてやる所詮はひとの夫たるおとこ
 待針というは良き言葉にて待針を打つごと明日を待ちし日もあり
 誰か来てわれの背を押せいちにちのはて着膨れてブランコに乗る
  
  

  
  
  
  
  

  
  
  
  
  

  
  
  
  
  

  
  
  
  
  


  
  
  
  
  

  
  
  
  
  

  
  
  
  
  

  
  
  
  
  

  
  
  
  
  

  
  
  
  
  

  
  
  
  
  

  
  
  
  
  

  
  
  
  
  

  
  
  
  
  


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