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my 見仏記17~東寺(再)

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東大寺、新薬師寺、安倍文殊院、聖林寺、薬師寺、興福寺、秋篠寺、観音寺、平等院。
以上、今回の旅で訪ねたお寺です。そこでは、たくさんの優れた仏像との出会いがありました。
でも、最後は東寺に寄ろうと決めていました。ここで4か月ぶりに講堂の「立体曼荼羅」を拝観し、旅の締めくくりとしました。

講堂

イメージ 1
けっこうな雨だったので、人影はまばらでした。

立体曼陀羅

イメージ 2
立体曼陀羅配置図(東寺HPより)

立体曼陀羅
 密教の教えをわかりやすく表現したのが曼荼羅です。曼荼羅には、胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅があり、それぞれ、理と智慧という教えを伝えています。
 その曼荼羅を、よりリアルに伝えるために、弘法大師空海は具現化することを構想しました。それが羯磨(かつま)曼荼羅。一般的に立体曼荼羅として知られているものです。
 弘法大師空海は、大日如来を中心とした21尊の仏さまを講堂の須弥壇に登場させました。曼荼羅の中心に大日如来が描かれているように、東寺の中心に大日如来を安置して、寺域を巨大な曼荼羅にレイアウトしたのです。
 立体曼荼羅は、当時、最も先鋭的なビジュアルだったに違いありません。
 大日如来を中心に五智如来。大日如来に対面して右側に、金剛波羅蜜多菩薩を中心にした五大菩薩、左側に、わが国に初めて紹介された不動明王を中心にした五大明王。須弥壇の四方には、四天王、そして梵天、帝釈天が警護するように配されています。
 その容姿、その色彩、その形相。どれほどセンセーショナルだったことか。立体曼荼羅を前に、平安の人々が感じた、驚き、恐れ。講堂の扉を開け、心を動かしてみてください。
(東寺HPより、一部改編)

イメージ 3
立体曼陀羅の中心、大日如来坐像(東寺HPより)

大日如来(だいにちにょらい)
 両界曼荼羅(金剛界と胎蔵界)の中心となる仏。密教において、毘盧舎那仏はさらに発展、展開し、密教世界の最高位に位置する絶対的な存在となりました。これが大日如来です。毘盧舎那仏と同じく、太陽の力を意味する「大光明遍照」という意味のサンスクリット語の名をもっています。
 日本では、平安時代から造像されました。立像の例はなく、如来でありながら髻(もとどり)を結って宝冠を頂き、胸には瓔珞(ようらく、ネックレス)、腕には臂釧(ひせん)や腕釧(わんせん、ブレスレット)という装飾品を菩薩のように身につけ、結跏趺坐します。
 金剛界の大日如来像は智拳印、胎蔵界の大日如来像は法界常印の印相を結び、瞑想にふける姿として造像されています。この印相で、2種の大日如来像の区別がつき、また菩薩像と大日如来像も見分けることができるのです。
 五智如来は、この大日如来を中心に東西南北に4如来を配したものです。
(石井亜矢子『仏像の見方ハンドブック』より)

イメージ 4
帝釈天は講堂の向かって左の端に安置されています。写真左端に象に乗った帝釈天が見えます。(東寺HPより)

帝釈天騎象像
 講堂の向かって左の端に安置されている帝釈天像は美男子として人気を集めている。講堂には、智拳印を組んだ金剛界大日如来を中心に21体の尊像が安置されているが、これらは空海が金剛界曼荼羅の諸仏を一堂に会したもので立体曼荼羅と呼ばれている。
 帝釈天像は、密教像で東大寺などに安置されている顕教の尊像とは異なる姿。象に乗り、右手に独鈷杵(とっこしょ)をもち、左手は拳を作って腰に当てている。右足は曲げて象の背に載せ、左足は下ろしている。もともと帝釈天は戦闘神であることから、薄手の鎧を身にまとっている。髪は高く結い上げ、切れ長の目をうつむき加減にした端正な容貌は正に美男子と呼ぶにふさわしい839(承和6)年の制作だが、顔は江戸時代に補作されたもの。像高は約110センチ。
(出版社『完全保存版 日本の美仏 仏像はなぜ美しいのか?』より)

イケメン部門第1位~帝釈天半跏像(帝釈天騎象像)
 イケメンな仏像といえば、やはり東寺の帝釈天が一番。すっきりしたお顔だちで、目は切れ長で涼しく、鼻もすっとしている。まさに、イケメンと呼ぶにふさわしい仏像である。頭部は後の時代の補作だというのに、体と違和感もなく自然に見える。
 帝釈天といえば元はインドの神様で、阿修羅と戦った戦闘の神様。だから一応、鎧は着ているけれど、持っている武器は小さな独鈷杵のみだし、足下を見ると裸足だし、片足を踏み下げた気楽な姿勢で、とても戦闘態勢には見えない。
 この帝釈天は、東寺の講堂の左隅にいらっしゃる。
 東寺の講堂に一歩足を踏み入れた瞬間、仏像の曼荼羅世界が広がる。普通は絵で表現される曼荼羅が、フィギュアのように立体的に並べられているせいか、まるで異空間に立っているよう。曼荼羅を全身で体感でき、まるで宇宙の中にいるような気さえしてくる。
 毎月21日に開かれる弘法市の日に訪れて、周りがすごい人でごったがえしていても、講堂の中だけはシーンとした張りつめた空気が流れている。
※ちなみに、イケメン第2位は興福寺の阿修羅立像、第3位は円成寺の大日如来坐像だそうです。
(『田中ひろみの勝手に仏像ランキング』より)

◆見仏のお伴はレンタカー
今回の見仏にはレンタカーを利用しました。おかげで、2日間で10ヶ寺も回ることができました。
当初、こちらから奈良まで自家用車で行く計画でしたが、体調や事故リスクなどを考え、新幹線+レンタカーにしました。今度、1週間以上の日程が可能になったら、奈良までプジョーで行こうと思います。

イメージ 5
トヨタ・ヴィッツ。奈良から京都まで2日間、何の支障もなく気持ちよく運転できました。小回りがきくので、狭い道路にも躊躇なく入っていけました。もちろん、燃費もいいです。(東寺にて)

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