3月24日(金)から4泊5日の日程で香川県と奈良県、滋賀県に行ってきました。そのうち、26日(日)~28日(火)の3日間、奈良県と滋賀県のお寺を訪ねましたが、見仏した主な仏像は以下の通りです。
【3/26(日)】
◆海龍王寺(十一面観音菩薩立像)※春季特別公開(3/23-4/7、5/1-9)
◆法華寺(十一面観音菩薩立像)※春季特別開扉(3/20-4/7)
◆西大寺(本堂:釈迦如来立像・文殊菩薩騎獅像及び四侍者像・弥勒菩薩坐像、愛染堂:興正菩薩叡尊坐像、四王堂:十一面観音菩薩立像)
【3/27(月)】
◆室生寺(金堂:釈迦如来立像・十一面観音菩薩立像、弥勒堂:釈迦如来坐像)※金堂特別拝観(3/11-4/16)
◆長谷寺(十一面観世音菩薩立像)※春季特別拝観(3/18-6/30)
◆聖林寺(十一面観音菩薩立像)
◆東大寺(法華堂:不空羂索観音菩薩像、戒壇堂:四天王立像)
◆興福寺(阿修羅像)※阿修羅―天平乾漆群像展―(3/15-6/18、9/15-11/19)
【3/28(火)】
◆渡岸寺観音堂(向源寺)(十一面観音菩薩立像)
※「大和路秀麗 八十八面観音巡礼」というリーフレットには、「あらゆる方角を向いて我々を厄災から救ってくださる十一面観音様を八体巡ると、八十八面のお顔を拝することとなり、『子供の十三歳・女性の三十三歳・男性の四十二歳』の厄年の合計八十八歳と同数になることで、人生における全ての厄災から救われるとして、信仰を集めています」と書かれています。8体の十一面観音が所蔵されているのは西大寺及び法華寺、海龍王寺、大安寺、法輪寺、聖林寺、長谷寺、室生寺です。今回、大安寺と法輪寺には行かなかったので、いつか訪ねたいと思います。
※国宝指定の十一面観音は全国で7体のみで、奈良県の法華寺・聖林寺・室生寺及び京都府の観音寺・六波羅蜜寺、大阪府の道明寺、滋賀県の渡岸寺観音堂(向源寺)に所蔵されています。今回訪ねた法華寺・聖林寺・室生寺・渡岸寺観音堂に昨年訪ねた観音寺を加えると、これで国宝指定の十一面観音を5体見たことになります。
今回、海龍王寺の春季特別公開日程(3/23-4/7、5/1-9)と僕の旅行日程が合ったので、初めて「十一面観音菩薩立像」を拝観することができました。像高94cmの小さな観音様ですが、保存状態が良く、とても美しいと思いました。
海龍王寺山門
海龍王寺本堂
十一面観音菩薩立像(海龍王寺HPより。以下の解説も)
当寺の本尊で、光明皇后が自ら刻まれた十一面観音像をもとに、鎌倉時代に慶派の仏師により造立されました。檜材で金泥が施され、条帛・天衣を掛け、裳・腰布をつけており、頭に天冠台・冠帯・左右垂飾、身は頸飾り・垂飾・瓔珞、手には臂釧・腕釧をつけています。衣の部分の彩色は朱・丹・緑青・群青など諸色の地に唐草・格子に十字などの諸文様を切金で表したもので、縁取りや区画の境界線に二重の切金線が多用されています。頭飾および装身具は精緻を極め、すべて銅製鍍金で透彫りを多用し、垂飾には諸色のガラス小玉と瓔珞片を綴ったものを用いています。 像は精巧入念な作で、頭・体のプロポーション、頭部の自然な俯きに優しい手の動き、腰のひねりに巧みに応ずる右足の遊ばせ方など彫刻としての基本的なデッサンは確かなものがあり、衣の文様表現では彩色より切金が主座を占め、頭飾装身具では、透彫りの技巧の細かな点に注目できます