今日、J.D.サリンジャーの『フラニーとズーイ』(村上春樹訳、2014.3.1発行)を読み終えました。今後『大工よ、屋根の梁を高く上げよ シーモア―序章―』(新潮文庫)や『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社)などを読み、その後この作品を再読しようと思います。現時点ではうまく感想が言えません。
◆この作品は「フラニー」と「ズーイ」の2部構成になっています。「フラニー」は1955年11月の土曜日の朝からの、「ズーイ」はその2日後の月曜日の朝からの、それぞれ数時間の物語です。ストーリーは概ね以下の通りです。
アメリカ東部の名門大学に通うグラス家の美しい末娘フラニーと俳優で五歳年上の兄ズーイ。物語は登場人物たちの都会的な会話に溢れ、深い隠喩に満ちている。エゴだらけの世界に欺瞞を覚え、小さな宗教書に魂の救済を求めるフラニー。ズーイは才気とユーモアに富む渾身の言葉で自分の殻に閉じこもる妹を救い出す。ナイーヴで優しい魂を持ったサリンジャー文学の傑作。──村上春樹による新訳!(新潮社ウェブページより)
◆ズーイは、彼自身と妹のフラニーが年の離れた2人の兄シーモア(1955年の時点で死後7年になる)とバディーの影響を強くを受けて育ったと意識しています。ですから、フラニーの苦悩の原因もそのせいだと考えています。以下はズーイの言葉です。
僕らはフリークだ。まさに畸形人間なんだよ。あのろくでもない二人組が早いうちから僕らを取り込み、フリーク的な規範をせっせと詰め込み、僕らをフリークに変えてしまった。(P201)
僕らはフリークだ。まさに畸形人間なんだよ。あのろくでもない二人組が早いうちから僕らを取り込み、フリーク的な規範をせっせと詰め込み、僕らをフリークに変えてしまった。(P201)
◆サリンジャーは、フラニーやズーイなど7人の兄弟姉妹と両親からなるグラス家にまつわる作品を多く書いています。グラス家の人々について、この作品からわかることを簡単にまとめてみました。(1955年時点)
○シーモア(長男)……1948年、妻とフロリダに休暇旅行をしている時に自殺。(生きていれば38歳)
○バディー(次男)……「ライター・イン・レジデンス」(大学在籍作家)として女子短大に所属。36歳
○ブーブー(長女)……結婚し、3人の子供の母となっている。
○ウォルト(三男)……ウェイカーと双子。1945年、陸軍兵士として日本に進駐している時に爆発事故で死亡。
○ウェイカー(四男)……ローマ・カソリックの司祭
○ズーイ(五男)……俳優。25歳
○フラニー(次女)……大学生。20歳
○レス(父)
○ベッシー(母)
○シーモア(長男)……1948年、妻とフロリダに休暇旅行をしている時に自殺。(生きていれば38歳)
○バディー(次男)……「ライター・イン・レジデンス」(大学在籍作家)として女子短大に所属。36歳
○ブーブー(長女)……結婚し、3人の子供の母となっている。
○ウォルト(三男)……ウェイカーと双子。1945年、陸軍兵士として日本に進駐している時に爆発事故で死亡。
○ウェイカー(四男)……ローマ・カソリックの司祭
○ズーイ(五男)……俳優。25歳
○フラニー(次女)……大学生。20歳
○レス(父)
○ベッシー(母)