今日、塩野七生の『ギリシア人の物語〈掘咫/靴靴力』(2017.12.15)を購入しました。
帯に、「夢見るように、炎のように――永遠の青春を駆け抜けた アレクサンダー大王」「32年の短くも烈しい生涯に肉薄した 塩野七生 最後の歴史長編」とあり、今回はアレクサンダー大王が主役だとわかりました。同時に、「塩野七生 最後の歴史長編」という言葉に驚き、さっそく著者あとがき「十七歳の夏――読者に」を読んでみました。
以下、「十七歳の夏――読者に」から、彼女の言葉を抜粋して引用します。
帯に、「夢見るように、炎のように――永遠の青春を駆け抜けた アレクサンダー大王」「32年の短くも烈しい生涯に肉薄した 塩野七生 最後の歴史長編」とあり、今回はアレクサンダー大王が主役だとわかりました。同時に、「塩野七生 最後の歴史長編」という言葉に驚き、さっそく著者あとがき「十七歳の夏――読者に」を読んでみました。
以下、「十七歳の夏――読者に」から、彼女の言葉を抜粋して引用します。
書きたいと思っているテーマを話すと、彼ら(引用者注:編集者)は言う。「いいでしょう、お書きなさい」。それが雑誌だと、その後に続くのは「載せます」になり、書籍担当だと、「本にしましょう」になるだけ。
とは言っても、出版業は慈善事業ではない。利益はさしたるものではなくても、営利事業なのだ。出版する先から赤字の連続では、編集者とて「本にしましょう」とばかりも言ってはいられなくなる。
そこで助けの手を差し伸べてくれたのが、読むだけでなく、買って読んでくれたあなた方だったのです。
ミリオンセラーには縁はなかったが、出版社の倉庫に返品の山が築かれない程度には本を買ってくれる読者に恵まれたのは、私にとって最良のサポートになった。
組織に属したことは一度としてないので、作品を売る以外に収入の道はない。それでも50年にわたって書き続けてこれたのは、私の作品を買って読むことで、私が仕事を続ける環境を整えてくれた読者がいたからである。
あれから(引用者注:『ローマ人の物語』の完結)11年が過ぎようとしている。今の私には、エンドユーザーたちへの感謝を述べてまわるだけの、体力はもはやない。
と言っても、調べ、考え、それを基(もと)にして歴史を再構築していくという意味での「歴史エッセイ」は、この巻を最後に終えることに決めたので、何かは言い残す必要はある。それで、この間の最後に載せるこの一文で代えることを許してほしい。
ほんとうにありがとう。これまで私が書きつづけてこれたのも、あなた方がいてくれたからでした。
そして、「歴史エッセイ」にかぎったとしても、全作品を図にして見たので、それも見てください。
あなた方が、どの作品の助成者になったかも、一見しただけでわかるはずですから。
最後にもう一度、ほんとうにありがとう。イタリア語ならば「グラツィエ・ミッレ」。つまり、「一千回もありがとう」。
とは言っても、出版業は慈善事業ではない。利益はさしたるものではなくても、営利事業なのだ。出版する先から赤字の連続では、編集者とて「本にしましょう」とばかりも言ってはいられなくなる。
そこで助けの手を差し伸べてくれたのが、読むだけでなく、買って読んでくれたあなた方だったのです。
ミリオンセラーには縁はなかったが、出版社の倉庫に返品の山が築かれない程度には本を買ってくれる読者に恵まれたのは、私にとって最良のサポートになった。
組織に属したことは一度としてないので、作品を売る以外に収入の道はない。それでも50年にわたって書き続けてこれたのは、私の作品を買って読むことで、私が仕事を続ける環境を整えてくれた読者がいたからである。
あれから(引用者注:『ローマ人の物語』の完結)11年が過ぎようとしている。今の私には、エンドユーザーたちへの感謝を述べてまわるだけの、体力はもはやない。
と言っても、調べ、考え、それを基(もと)にして歴史を再構築していくという意味での「歴史エッセイ」は、この巻を最後に終えることに決めたので、何かは言い残す必要はある。それで、この間の最後に載せるこの一文で代えることを許してほしい。
ほんとうにありがとう。これまで私が書きつづけてこれたのも、あなた方がいてくれたからでした。
そして、「歴史エッセイ」にかぎったとしても、全作品を図にして見たので、それも見てください。
あなた方が、どの作品の助成者になったかも、一見しただけでわかるはずですから。
最後にもう一度、ほんとうにありがとう。イタリア語ならば「グラツィエ・ミッレ」。つまり、「一千回もありがとう」。
※『ローマ人の物語』は2006年に完結しましたが、その後も塩野さんは『ローマ亡き後の地中海世界』や『十字軍物語』、『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』、そして『ギリシア人の物語』と精力的に書き続けてきました。でも、彼女は1937年7月7日生まれですから、現在80歳です。ゆっくり休んでいただきたいと思います。
これからも彼女が書いた「歴史エッセイ」を読み続けていこうと思います。彼女のおかげで、どれだけ楽しみ、どれだけ勇気づけられてきたか。心から、ありがとうございます。
これからも彼女が書いた「歴史エッセイ」を読み続けていこうと思います。彼女のおかげで、どれだけ楽しみ、どれだけ勇気づけられてきたか。心から、ありがとうございます。