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熊谷達也『モビィ・ドール』を読みました。

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 今日、熊谷達也の長編小説『モビィ・ドール』(05)を読み終えました。
 この作品について、ブックカバー裏表紙の解説を引用します。
 東京から南へ220キロ。太平洋に浮かぶ巌倉島は、イルカの棲む島として知られている。平和なこの小島で、動物行動学者・比嘉涼子は環境保護NPOの一員として、イルカの生態調査に従事していた。だがその平穏な日々は、突然出現したシャチの群に破られる。島のイルカたちを救うために、一頭のシャチ=モビィ・ドールへの追跡が始まった……。海に生きる生命を鮮やかに描く海洋小説の傑作。

【感想等】
◆第犠蓮屮ぅ襯の島」の章末、ドルフィネス号はイルカ・ウォッチングやドルフィン・スイムの客達を乗せ、イルカの群れに近づきます。ドルフィン・スイムの客達を海中に送り出した後、比嘉涼子はイルカの群れの様子が普段と違うことに気づきます。すると、船長・岡田がシャチの一団がこちらに向かっていることを告げます。そして、シャチがイルカの群れを襲うシーンになります。3ページほどの短い描写ですが、それまでのややのんびりした気分が一掃され、緊張感に包まれます。

◆この作家のデビュー作『ウエンカムイの爪』(98)では、恐怖の対象としてヒグマが登場しました。この作品は、場所を北海道から伊豆諸島の孤島へ、恐怖の対象をヒグマからシャチへ変えただけで、内容的にはそれほど変わらないように思います。
 人間の物語は陳腐ですが、シャチの生態やシャチをめぐる世界的な動きなど、いろいろ勉強になりました。本物のシャチを見たいと思いました。近いうちに鴨川シーワールドにでも行こうかな。

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