村上春樹「ドライブ・マイ・カー」を読みました。

村上春樹の短篇小説「女のいない男たち　ドライブ・マイ・カー」を読みました。
新聞広告でこの作品のことは知っていましたが、単行本に収録されてから読めばいいと思っていたので、『文藝春秋』で読むつもりはありませんでした。しかし、沖縄からの帰りに山手線の中吊り広告を見て、家まで帰る間の暇つぶしにちょうどいいと思い、『文藝春秋』12月号を購入しました。

◆まさに村上春樹的作品だと思います。主人公の俳優・家福といい、自動車修理工場の経営者・大場といい、運転手・渡利みさきといい、その職業のプロフェッショナルらしいこだわりと能力を持っているという設定はいつも通りです。また、主人公の愛車が「黄色のサーブ900コンバーティブル」だったり、ビーチボーイズやラスカルズ、クリーデンス、テンプテーションズといった古いアメリカンロックが流れたり、酒の飲み方の蘊蓄を語ったり、等々、主人公やストーリーを飾る小道具も忘れません。
◇僕の愛車はプジョー308CC（クーペ・カブリオレ）ですから、最初から主人公にシンパシーを感じてしまいました。「冬でも夏でも、車の屋根を開けて運転するのが好きだった。冬には分厚いコートを着てマフラーを首に巻き、夏には帽子をかぶって濃いサングラスをかけ、ハンドルを握った。」なんてくだりはたまりませんね。

◆家福はアントン・チェーホフの『ヴァーニャ伯父』の舞台でヴァーニャ伯父を演じています。ヴァーニャ伯父とソーニャとの関係が家福と渡利みさきの関係と重なっているのでしょうか？
◇近いうちに『ヴァーニャ伯父』読もうと思います。

◆ビートルズの‘Drive My Car’（“Rubber Soul”収録）は出てきません。

◆「女のいない男たち」というタイトルが付いていますから、このテーマで何編か書くってことなのでしょうか？