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又吉直樹「火花」を読みました。

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今日、又吉直樹の中編小説「火花」を読みました。
彼の作品は、これまでに『第2図書係補佐』(エッセイ)と『カキフライが無いなら来なかった』(句集)、『まさかジープで来るとは』(同)の3冊を読んでいました。昨年末だったか、彼の小説デビュー作品が文芸誌『文學界』の平成27年2月号に掲載されると知り、これまで手にしたこともなかった雑誌でしたが、《Amazon》で買うことにしました。ところが、売り切れ。新刊で970円の雑誌が、中古品で2500円以上になっていました。で、単行本が出たら読もうと思っていました。
その後、『文學界』2月号が増刷されたので、《Amazon》に注文、今日やっと届きました。『文學界』の増刷は1933年(昭和8年)の創刊以来初めてだそうで、当初の1万冊が最終的には4万冊になったとか。まさに、「又吉効果」です。

◆ストーリー
 熱海の花火大会の余興に出演した若手漫才師の僕(徳永)は、そこで先輩漫才師の神谷と知り合い、弟子入りを申し込みます。神谷は弟子入りを認めますが、その条件として自らの伝記を書くことを依頼します。この作品では、そんな僕と神谷のその後の10年間が描かれます。

◆読み終えてホッとしました。神谷の生き方がハチャメチャなので、これまでに出会った多くの作品のように、彼には悲劇的な最期が訪れるんじゃないかと思いながら読み進めましたが、その予想は全く裏切られました。ハッピーエンドではないけれど、僕と神谷のその後が知りたくなるエンディングです。僕のその後と、僕が書く神谷の伝記が読みたいと思いました。続編とスピンオフ(神谷が主人公)に期待したいと思います。

◆神谷が作る蠅に関する川柳(P45-46)や漫才コンビ・スパークスの解散ライブの場面(P67-69)は作者の面目躍如って感じです。また、ラストシーンにボブ・マーリーの‘No Woman No Cry’が流れるのもいいです。

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