村上春樹『カンガルー日和』を読みました。(再)
最近、村上氏は既刊の短編小説集から選んだ作品にカット・メンシックのイラストを加えて単行本化する作業を続けています。『ねむり』(2010)や『パン屋を襲う』(2013)、『図書館奇譚』(2014)です。先月刊行の『図書館奇譚』は短編小説集『カンガルー日和』(1983)から選んだものですが、僕はこういう手法はあまり好きではありません。良く言えば「カット・メンシックとのコラボレーションにより、作品に新たな...
View Article永田和宏『現代秀歌』を読みました。
今日、永田和宏の『現代秀歌』(2014)を読み終えました。内容について、巻頭の「はじめに」の一部を引用します。 本書は、2013年のはじめに岩波新書として刊行した『近代秀歌』の姉妹篇にあたる。『近代秀歌』では、落合直文(1861年生)から土屋文明(1890年生)や明石海人(1901年生)までの31人の歌人の作品、100首をとりあげた。‥‥‥。...
View Article村上春樹『ふしぎな図書館』『図書館奇譚』を買いました。
今日、村上春樹の『ふしぎな図書館』(イラスト:佐々木マキ、05)と『図書館奇譚』(イラスト:カット・メンシック、14)を買いました。先日、講談社文庫『カンガルー日和』収録の「図書館奇譚」を読み、上記2冊を読み比べるのもおもしろそうだと思い、『図書館奇譚』は買わないという当初の考えを捨てました。【参考】以下、『図書館奇譚』の「あとがき」から「図書館奇譚」の4つのヴァージョンを示しました。なお、、□→い...
View Article村上春樹『パン屋を襲う』を買いました。
今日、村上春樹の『パン屋を襲う』(イラスト:カット・メンシック、13)を買いました。収録作品は「パン屋を襲う」と「再びパン屋を襲う」です。【参考】 ◆パン屋を襲う ・文芸雑誌『早稲田文学』1981年10月号に「パン屋襲撃」として掲載 ・村上春樹・糸井重里『夢で会いましょう』に「パン」として収録(1981.11)...
View Article河野裕子・永田和宏『たとへば君 四十年の恋歌』を読みました。
今日、河野裕子・永田和宏『たとへば君 四十年の恋歌』を読み終えました。この本について、川本三郎氏の「解説」から引用します。 河野裕子さんと永田和宏さんという二人の現代の秀れた歌人は、学生時代に京都で出会い、惹かれ合い、結婚した。二人の子供に恵まれ、家庭を作り、それぞれに歌人としての道を深めていった。...
View Article又吉直樹「火花」を読みました。
今日、又吉直樹の中編小説「火花」を読みました。彼の作品は、これまでに『第2図書係補佐』(エッセイ)と『カキフライが無いなら来なかった』(句集)、『まさかジープで来るとは』(同)の3冊を読んでいました。昨年末だったか、彼の小説デビュー作品が文芸誌『文學界』の平成27年2月号に掲載されると知り、これまで手にしたこともなかった雑誌でしたが、《Amazon》で買うことにしました。ところが、売り切れ。新刊で9...
View Article穂村弘『短歌の友人』を読みました。
今日、穂村弘の歌論集『短歌の友人』を読み終えました。この本の内容については、「はじめに」の一部を引用します。 二十三歳のときに短歌と出会って以来、私は歌を作りながら、同時に自分以外のひとの作品を読み続けてきた。 短歌雑誌や歌集やネット上の歌を読みながら、面白いとかつまらないとかわからないとか思っているだけだが、長年続けているうちに、頭の中に面白いなと思う短歌が少しずつたまってゆく。 (中略)...
View Article太宰治『斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇』を買いました。
今日、太宰治の『斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇』(文春文庫)を買いました。僕は太宰作品を主に新潮文庫で読んできましたが、先日この本の存在とその収録作品リストを知り、とてもいいなと思ったので即購入しました。巻末の「太宰治伝」「作品解説」「太宰治年譜」もとても参考になります。今度旅行に行くときは、ぜひこの本を持って行きたいと思います。◆収録作品(初出掲載誌)...
View Article太宰治『斜陽』を読みました。
今日、太宰治の『斜陽』を読み終えました。この作品は「女性の一人称告白体」というスタイルの最も成熟したものであり、太宰文学の集大成とも言われています。なお、太宰は「女性の一人称告白体」の作品を10数編書いていますが、このスタイルは「燈籠」(昭和12)に始まり、「女生徒」(昭和14)で確立しました。◆巻末・奥野健男「太宰治 人と文学」より(一部改編)...
View Article芥川龍之介『羅生門・鼻』を読み終えました。
今日、芥川龍之介の短編小説集『羅生門・鼻』(新潮文庫)を読み終えました。これまで彼の作品は「蜘蛛の糸」や「鼻」、「杜子春」などを中学校か高校の授業で読んだ程度でした。この短編集を読み、こんなに優れた作家の作品を読まなかったなんて、自分にキック!...
View Article芥川龍之介『地獄変・偸盗』を読みました。
今日、芥川龍之介の短編小説集『地獄変・偸盗』を読み終えました。この短編集には『羅生門・鼻』と同じく芥川の「王朝物」といわれる、平安時代に材料を得た歴史小説が6編収められています。【収録作品】( )内は発表年時と発表機関◆偸盗(ちゅうとう)(大正6年4・7月、『中央公論』)...
View Article西加奈子『炎上する君』を読みました。
今日、西加奈子の短編集『炎上する君』を読み終えました。先日、NHKテレビ「SWITCHインタビュー達人達(たち)」で椎名林檎と作家・西加奈子の対談を見ました。初対面だったそうですが、以前からお互いがお互いのファンだったということで、かなり熱いトークになっていました。西のことは全く知りませんでしたが、椎名の西への傾倒ぶりを見て、僕も何か読んでみたくなりました。番組の中で又吉直樹が西についてコメントして...
View Article山崎ナオコーラ『人のセックスを笑うな』を読みました。
昨夜、山崎ナオコーラの『人のセックスを笑うな』を読みました。先日、西加奈子の短編小説「甘い果実」(『炎上する君』収録)を読みましたが、その登場人物に〈山崎ナオコーラ〉という作家がいました。又吉直樹による巻末解説に「現実に存在する作家山崎ナオコーラさんと全く同じ名前を持つ、作家が登場するユニークで斬新な小説」とあったので、実在する山崎ナオコーラの作品を読んでみようと思いました。以下、ブックカバー裏表紙...
View Article最果タヒ『グッドモーニング』を読みました。
昨夜、最果タヒの第一詩集『グッドモーニング』(07)を読みました。彼女の詩を読んだのは初めてだったし、そのスタイルにも慣れていなかったので、「うーん?」という感じです。理解するにはまだまだ時間がかかりそうです。◆収録作品 yoake mae 1 0/夏のくだもの/足の裏/会話切断ノート yoake mae 2 故郷にて死にかける女子/苦行/友達/術語/空走距離 yoake mae...
View Article最果タヒ『死んでしまう系のぼくらに』を読みました。
今日、最果タヒの第三歌集『死んでしまう系のぼくらに』(14)を読みました。第一歌集『グッドモーニング』(07)に比べれば読みやすかったという印象ですが、詩という表現方法に慣れていないせいなのか、それともこの詩人に慣れていないせいなのか、詩人の意図を汲みとれたかというと疑問です。でも、「あとがき」を読んで、「まっ、いいか。」って感じになりました。「バナンボ!」...
View Article中村文則『何もかも憂鬱な夜に』を読みました。
今日、中村文則の『何もかも憂鬱な夜に』(08)を読み終えました。彼の作品を読むのは初めてでしたが、彼の作品をもっと読もうと思いました。ストーリー等は以下の通りです。...
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