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熊谷達也『海峡の鎮魂歌』を読みました。

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 今日、熊谷達也の『海峡の鎮魂歌(レクイエム)』(13)を読み終えました。
 この作品について、ブックカバー裏表紙の解説を引用します。
 昭和9年春、函館の潜水夫・泊(とまり)敬介は、時化(しけ)る海と吹き荒れる風に妙な胸騒ぎを感じていた。予感が的中し、猛火が街を襲う。妻子と母を探し歩く敬介だったが。さらに昭和20年の空襲、昭和29年の洞爺丸沈没。立ち直ろうともがく敬介に、運命は非情な仕打ちを繰り返す……。仙台在住の著者が震災から半年後、悩み迷いながら筆をとった、再生と希望の長編小説。『烈風のレクイエム』改題。

【感想等】
◆函館は江戸時代から千戸以上を焼失する大火を何度も経験してきました。その都度なんとか再建してきましたが、中でも記録的な大火となったのが、この作品で描かれた昭和9年(1934)の大火災でした。
 函館の悲運は続き、昭和20年(1945)には第二次世界大戦による函館空襲、そして昭和29年(1954)には洞爺丸台風という歴史に残る大災害にみまわれました。
 主人公の泊敬介は、3度の大災害に遭いながらも、奇跡的に生き延びました。彼は大火災で家族と家を失い、空襲では左足の自由を失いました。そして、沈没した青函連絡船〈洞爺丸〉に乗り込むことになります。

◆終盤での鈴代の登場に驚きました。あまりに御都合主義的で。まっ、僕はそういうの嫌いじゃありませんが。

◆主な登場人物(登場順)
・泊(とまり)敬介
・丹野勘次郎
・野呂秀治
・秋山静江
・伸一郎
・洋介
・鈴代

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