佐藤真由美のデビュー歌集『プライベート』を読みました。
先日、枡野浩一の『かんたん短歌の作り方』を読んだら、そこに彼女の投稿歌が取り上げられていました。彼女はこの投稿がきっかけとなり、歌人になったそうです。彼女の他の歌も読んでみたいと思い、この歌集を買いました。以下、気に入った歌を引用します。
先日、枡野浩一の『かんたん短歌の作り方』を読んだら、そこに彼女の投稿歌が取り上げられていました。彼女はこの投稿がきっかけとなり、歌人になったそうです。彼女の他の歌も読んでみたいと思い、この歌集を買いました。以下、気に入った歌を引用します。
東口バスターミナルでキスをして別れるために出会ったふたり
鎌倉で猫と誰かと暮らしたい誰かでいいしあなたでもいい
アルデンテにゆでといたけどそれ以上わたしに期待なんてしないでね
マスカラがくずれぬように泣いている女を二十五年もやれば
悲しませないよう何かするたびにこっちが悲しいのはなんでかな
正しさは振りかざさずに立っているあなたの悲しみによく似合う
借りた傘返しに行くと雨が降るような感じで二年続いた
ありがとういつも一緒にいてくれてたまに一緒にいないでくれて
今すぐにキャラメルコーン買ってきてそうじゃなければ妻と別れて
この煙草あくまであなたが吸ったのねそのとき口紅つけていたのね
「だめなひと」いつものセリフでも今日は漢字で言われたような気がして
強い意志とかそんなんじゃないでしょうコンクリのひびに咲くタンポポは
走ってく方向間違えないコツは目的地なんて作らないこと
どうしても欲しいものとかあっていい失くしたものの数より多く
3回も食事したからバレてるよ生春巻とわたしが好きね
長い長いエスカレータで目を閉じる自分の嘘が消える気がして
幸せな頃に聴いてた音楽をポッケに入れて地下鉄に乗る
手をつなぐ前がいちばん楽しいの東京タワーでデートするとか
やれそうと思われたのは悔しいが事実やったんだからまあいい
朝顔のように誰かが巻きついてきたので「おはよう」と言いました
点滅の青信号にダッシュするくらいにわたしわりと平気だ
ツケヅメを自分の爪だと思ってていきなり剥がれたような失恋
桜咲き空が眩しくなってくるいつもの坂を早く過ぎたい
いろんなことあっても今幸せなのはいろんなことがあったからなの
いいことがあってもいいななんとなく好きだった人が花くれるとか