バーナード・マラマッド『魔法の樽』を読みました。
今日、バーナード・マラマッドの短編集『魔法の樽』(1958)を読み終えました。これから先、何度も読み返すことになる本だと思います。『魔法の樽』は『ナチュラル』(1952)、『アシスタント』(1957)についで刊行されたマラマッドの最初の短編集です。彼はこの作品で全米図書賞を受賞し、作家として脚光を浴びることになりました。日本では1970年前後に相次いで3種類の翻訳が刊行されています。邦高忠二訳『魔法...
View Article神社のしめ縄作りをしました。
今日、神社のしめ縄作りと来週のおぴしゃ(「御歩射(おぶしゃ)」が転訛)の準備をしました。しめ縄を作るには技術と力が必要です。僕はどちらもイマイチなので大変でした。
View Article西村賢太「苦役列車」を読みました。
新潮文庫『苦役列車』は、「苦役列車」と「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を収録しています。今日、西村賢太の第144回芥川賞受賞作「苦役列車」を読みました。僕は芥川賞受賞なんて肩書きで本を選んだりしませんが、先日見たフジテレビの報道番組での彼の他におもねない発言を聞き、彼の作品を読んでみようと思いました。◆「苦役列車」はいわゆる私小説で、西村の歩んだ人生を北町貫多という主人公に託して描いています。この作...
View ArticleBruce Springsteen“High Hopes”を聴きました。
昨日、注文しておいたブルース・スプリングスティーンのニューアルバム“High Hopes”(2014.1.29)が届きました。未発表曲やカヴァー曲、再録音曲ばかりのようですが、かなり聴き応えのあるアルバムだと思います。以下、CDの帯に書かれた解説を引用します。...
View Article夏目漱石『草枕』を読みました。
昨夜、夏目漱石の『草枕』(1906)を読み終えました。「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」という冒頭の文章は知っていましたが、読んだのは初めてでした。漱石はこの作品中で自らの芸術論や文明論を語っていますが、彼の漢籍の知識があまりにも凄いせいか、難しい漢語がたくさん出てきて閉口しました。しかし、作品に登場する絵画や書には共感を覚えるものもあったし...
View ArticleBillie Joe + Norah“Foreverly”を聴きました。
今日、仕事の行き帰りにビリー・ジョー・アームストロング(Green Day)とノラ・ジョーンズのデュエット・アルバム“Foreverly”(2013.11.26)を聴きました。このアルバムはエヴァリー・ブラザーズ(Everly Brothers)の“Songs Our Daddy Taught...
View Article夏目漱石『虞美人草』を読みました。
今日、夏目漱石の『虞美人草』を読み終えました。これは1907年(明治40年)6月から朝日新聞に連載された作品で、東京帝大講師を辞めて朝日新聞社に入社した漱石の最初の仕事ということになります。◆独特な文体 漢籍や日本の古典からの引用が多い文語表現部分と、結構長い会話部分とで構成されています。会話の部分は読みやすいけれど、文語表現の部分は読みにくい。◆巧みな構成...
View Article仙台に行ってきました。
2月8日(土)9日(日)、1泊2日の日程で仙台に行ってきました。仙台は78年ぶりの大雪だそうで、仙石線が不通になり、2日目に予定していた松島観光がキャンセルになってしまいました。その代わりと言ってはなんですが、新幹線の出発時間まで仙台駅周辺でゆったりとした時間を過ごすことができました。写真はジュンク堂書店仙台ロフト店で買った、せきしろ・又吉直樹による自由律俳句集『カキフライが無いなら来なかった』と、...
View Articleせきしろ×又吉直樹『カキフライが無いなら来なかった』を読みました。
せきしろ×又吉直樹の『カキフライが無いなら来なかった』を読みました。妄想文学の鬼才(らしい)せきしろとお笑いコンビ「ピース」の又吉による自由律俳句とエッセイ、写真で構成された本です。初めて読んで、心に引っかかった句をいくつか紹介します。 【せきしろ】 目を開けていても仕方ないので閉じる 風が運んできたのはカナブンの亡骸 雨と冷蔵庫の音に挟まれ寝る...
View Article『尾崎放哉全句集』を読みました。
尾崎放哉(1885-1926)の俳句と小品・随筆・書簡を収録した『尾崎放哉全句集』(村上護編)を読みました。放哉は自由律俳句の代表的な俳人として、種田山頭火(1882-1940)と並び称されています。彼がどんな人物だったかは、彼の代表句「咳をしても一人」に凝縮されているように思います。彼は現在の鳥取市に生まれ、東京帝大法学部を卒業したエリートでしたが、やがて家族も仕事も捨て、流浪生活に入ります。そし...
View Articleせきしろ×又吉直樹『まさかジープで来るとは』を読みました。
せきしろ×又吉直樹の『まさかジープで来るとは』(2010)を読みました。同じ著者による「自由律俳句+エッセイ+写真」で構成された俳句集の第二弾です。一読して、気になった句を紹介します。【せきしろ】 シールだらけのタンスが捨てられている 駐車場の隙間を埋めるようにタンポポ スイカに対する感動が年々薄くなる 少し歩いただけで月が見えなくなる わりと歩み寄ったつもりだった...
View Article藤澤清造『根津権現裏』を読みました。
今日、藤澤清造(1889-1932)の『根津権現裏』(1922)を読み終えました。藤澤清造は‘忘れられた作家’の代表格だそうですが、彼の没後弟子を自称する西村賢太(2010年、『苦役列車』で第144回芥川賞受賞)の尽力により、再び日の目を見ることになりました。藤澤を語る時には‘無名’‘貧困’‘野垂れ死に’といったキーワードが使われるそうですが、実際彼は東京・芝公園の六角堂内で凍死体となって発見されて...
View Article村上春樹「独立器官」を読みました。
今日、『文藝春秋』三月特別号を買い、村上春樹の短編小説「女のいない男たち4 独立器官」を読みました。◆ストーリー 52歳の美容整形外科医・渡会(とかい)は未だ独身で、つきあうのは人妻か、他に「本命」の恋人を持つ女性ばかり。彼は自らを「ナンバー2の恋人」「雨天用ボーイフレンド」「浮気の相手」と割り切ってきました。...
View Article『山頭火句集』を読みました。
先日尾崎放哉の句集を読んだので、この際種田山頭火(1882-1940)の俳句も読んでみようと思い、『山頭火句集』(村上護編)を買いました。一読していいなと思った句を紹介します。【参考】種田山頭火について、Wikipediaからの引用です。(一部改編)...
View Article村上春樹「シェエラザード」を読みました。
昨夜、柴田元幸責任編集『MONKEY』vol.2(2014.2.15)収録の村上春樹の短編小説「シェエラザード」を読みました。◆ストーリー 羽原と一度性交するたびに、彼女はひとつ興味深い、不思議な話を聞かせてくれた。『千夜一夜物語』の王妃シェエラザードと同じように。 冒頭の一節です。この作品はこの一節が示しているように『千夜一夜物語』の王妃シェエラザードの物語をモチーフに書かれています。...
View Article村上春樹訳『フラニーとズーイ』を買いました。
今日、予約しておいたJ.D.サリンジャーの『フラニーとズーイ』(新潮文庫)が届きました。村上春樹による新訳です。写真左は村上春樹のエッセイ「こんなに面白い話だったんだ!」です。本来なら文庫本の巻末に掲載されるべきものですが、別冊になっているのは「J.D.サリンジャーは自分の本の中に訳者の『まえがき』とか『あとがき』とか、そういう余分なものを入れることを固く禁じている」ためです。この別冊には紙数制限の...
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